武蔵野HDが新たな循環型社会へ向けてスタート
武蔵野ホールディングス(武蔵野HD)は、日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYとの間で、廃食用油を国産の持続可能な航空燃料(SAF)へと変換するための基本合意書を締結しました。この合意は、気候変動対策や循環型社会の実現に向けた重要な一歩として、多くの関係者から期待されています。
廃食用油をSAFの原料に
この取り組みでは、武蔵野HDのグループ会社が提供する廃食用油を利用し、年間約36.8万リットルのSAFを生産すると見込まれています。これにより、約1,000トンのCO₂削減が可能になるとされています。具体的には、武蔵野HDが運営する工場やホテルから集められた廃食用油が、レボインターナショナルを経由してSAFFAIRE SKY ENERGYのSAF生産プラントに届けられます。
このプラントは大阪府堺市にあり、国内で初めて廃食用油だけを原料とする大規模生産を行うものです。このプロジェクトは、資源の再利用を促進し、脱炭素社会の実現に向けた活動として位置づけられています。
武蔵野グループの企業理念
武蔵野グループは、「食」と「癒し」をテーマにした企業理念を掲げ、食品製造や物流、ホテル業界など幅広い分野で事業を展開しています。特に食品事業では、大手コンビニに向けた日々のデイリー品の製造・納品を行っており、環境対策においても積極的な取り組みを行っています。今回の合意書締結により、さらなる資源循環が期待されます。
Fry to Fly Projectの概要
また、武蔵野HDは「Fry to Fly Project」にも参画し、家庭や店舗から出る使用済み食用油の回収を通じてSAFの生産を支援します。このプロジェクトは、日揮HDが発起人となり、賛同する企業や自治体、団体が協力して廃食用油の資源循環を進めることを目的としています。特設ホームページでは、全体の取り組みに関する詳細情報を知ることができます。
国内初のSAF製造事業の進展
実際、日揮HDとレボインターナショナルは、コスモ石油と連携して国内における廃食用油の収集・製造・供給までのサプライチェーンを構築中です。2024年12月にはSAF製造装置の建設が完了し、2025年4月には本格的にSAFの供給が始まります。このSAFは国際的な持続可能性認証を取得しており、信頼性の高い燃料として注目されています。
持続可能な未来を目指して
この取り組みは、新たなビジネスチャンスを生むだけでなく、環境への影響を最小限に抑えた形でのエネルギー供給を実現するための重要なステップです。廃食用油の有効活用を通じて、持続可能な未来を築くためのパートナーシップを強化していくことが期待されています。武蔵野HD、日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの4社は、一丸となって循環型社会の実現に貢献していくことでしょう。