MIHO MUSEUM秋季特別展『近江の名所』、最古の名所絵を堪能できるチャンス

MIHO MUSEUM 秋季特別展『近江の名所』

滋賀県甲賀市に位置するMIHO MUSEUMが、2025年9月20日から12月14日まで、「近江の名所」という特別展を開催します。この展覧会では、近江地域の歴史的名所をテーマにした約100点の作品が展示され、特に万葉集や近世の近江八景の重要性を探る内容となっています。

近江の名所と歌の文化

近江は、万葉集以来、多くの歌に詠まれた名所を持つ地域です。特に近世には近衛信尹が膳所城からの風景を絵に描写し、湖南と湖西の名所を「近江八景」として広く知らしめました。これにより、多様な工芸品や絵画が生まれ、近江の景観が文化に刻まれていったのです。

今回の展覧会では、近江八景成立以前の名所絵に幕を開け、江戸時代に作られた近江八景をテーマにした絵画や工芸品が展示されます。特に、池大雅や円山応挙、鈴木其一の作品を通じて、近江の自然がどのように描かれてきたかを探ります。

展覧会の見どころ

この展示では、名所絵の歴史と発展を追い、祭礼図や曼荼羅図なども含まれたバリエーション豊かな展示内容が特徴です。また、近江の名所である竹生島や比叡山、日吉大社の山王祭も特別にフィーチャーされ、地域の伝統と文化を感じることができます。

展覧会の構成

展覧会は以下の章立てで構成されています。
1. 名所絵の伝統
2. 近江八景の成立以前の近江の名所絵
3. 近江八景の成立とその変遷
4. 各八景の描写
5. 八景以外の名所
6. 自由な工芸表現への展開
7. 湖岸の視点に立った試み

これらの章を通じて、近江の美しさがどのように変遷してきたのかを学ぶことができます。

講演会と討論会

また、会期中には特別な講演会や討論会も予定されています。

- 講演会「湖国風景画の歴史」 10月12日（日）13:30-15:00

講師：國賀由美子氏（元大谷大学教授）

- 討論会「近江八景を文芸と美術から解き明かす」 11月16日（日）13:30-15:30

講師：鍛冶宏介氏（同志社大学教授）、國賀由美子氏（元大谷大学教授）

どちらのイベントも参加費は無料ですが、入館料が必要です。

参加情報

この秋季特別展では、名所を数多く描いた貴重なアートに触れ、近江の文化を深く感じるチャンスを提供します。MIHO MUSEUMの魅力を体験するためにも、ぜひ足を運んでみてください。入館は午前10時から午後5時までで、入館料は一般1300円、高・大生1000円、中学生以下は無料となっており、団体割引も用意されています。

展覧会は、滋賀県の文化を知る貴重な機会であり、近江の自然や歴史を描いた作品から多くを学ぶことができるでしょう。近江の名所をぜひ一度訪れてみてください。