宮城県の学校でICTを駆使したメンタルヘルスケアの実践が始まる
宮城県教育庁が令和6年度に実施する「ICTを活用した心の健康観察事業」に、株式会社Welcome to talk(本社:東京都千代田区)が採択され、2024年9月より宮城県内の実証モデル校において、スクールメンタルヘルスケアサービスを提供することが決まりました。この取り組みは、生徒の心の健康状態を見守り、SOSサインを逃さずに早期支援を行うことを目的としています。
【取り組みの内容】
本事業では、生徒の個々の情報端末上に「心の健康観察相談システム」を導入します。これにより、日常的な心の状態を観察し、必要な支援をすぐに行える体制を作ることを目指します。具体的には、オンライン上に相談窓口を設置し、生徒が“いつでも、どこでも、手軽に、気軽に”相談できる環境を整えます。これにより、生徒たちが心の健康不調を感じたときに、自分の声を発信するのが容易にできるようになります。
■ モデル校の紹介
実証モデル校として、以下の3校が参加します。
- - 宮城県工業高等学校
- - 宮城県東松島高等学校
- - 宮城県石巻北高等学校(飯野川校を含む)
■ 具体的なサービス
1.
心の健康状態のモニタリング(ココモニ)
生徒が1日1回、声を送ることで心理状態を定期的にモニタリングします。音声感情センシング技術を利用して、SOSのサインを逃さずにキャッチ。さらに、WHO-5によるアンケートを活用し、心の健康状態を視覚的に確認できるようにします。
2.
テキスト健康相談
より気軽に相談できるよう、マイページから何度でも利用可能なテキストカウンセリングシステムを提供。24時間受付しており、心理士が営業日2日以内に回答します。
3.
オンライン健康相談
より詳しく相談したい生徒のために、45分のオンラインカウンセリングを設け、事前予約が可能です。利用者は好きな時間に相談でき、担当の専門家が報告書を提出します。
4.
バーチャル健康相談
3次元の仮想空間でコミュニケーションを取るバーチャル健康相談も行われます。アバターを介して、ユーザーは自宅で688臨場感を体験しながら相談ができます。
5.
学校管理サイトの設定
生徒のメンタルヘルス状態を一元管理できるプラットフォームが設置され、詳細な履歴や予約状況の確認が可能です。
■ サステナブルプランの採用
本事業では、各生徒にアカウントが付与され、個人のマイページで心理状態の変化をチェックしたり、相談を行ったりすることができます。利用無制限のテキスト健康相談や、オンライン相談の制度も充実しており、生徒たちが自分に合った方法で心の専門家とコミュニケーションを取れる環境を整えています。自分自身のメンタルに意識を向けながら、心の専門家と共に進むことで、セルフケアの概念を育むことができるのです。
この取り組みを通じて、宮城県の高校生たちは心の健康を維持し、メンタルリテラシーを高めていくことが期待されています。メンタルヘルスケアの新たなモデルとなることを目指し、今後の展開にも注目です。