お金に関する意識・実態調査2025
2025年6月、ハルメク 生きかた上手研究所が実施した「お金に関する意識・実態調査」の結果が明らかになりました。この調査は、55歳から79歳の女性510名を対象に、彼女たちの金銭感覚や節約に対する意識を浮き彫りにしています。特に注目すべきは、メインの決済手段としてクレジットカードが非常に高い割合を示し、しかも現在の年金制度への満足度が受給中のほうが高いという点です。
調査結果の概要
調査によると、クレジットカード利用者は46.4%、現金は27.9%にとどまり、ポイント活動(ポイ活)も9割以上が実施しているとのことです。このデータは、50代以上の女性がキャッシュレス社会に適応し、ポイントを賢く活用していることを示しています。
一方、節約意識は昨年と比較して9ポイントの低下が見られ、特に「無駄遣い」に関する後悔の声も多く寄せられました。調査に参加した女性たちの中からは、衝動買いの経験や不必要な支出についての深い反省が言及され、経済的な自律性への葛藤が感じられます。
調査結果詳細
お金の使い方に対する満足度
「お金の使い方」に対する満足度は前年に比べて48.2%から38.9%に低下しました。この結果は、物価高や将来への不安が影響を与えていると考えられます。特に60歳から74歳の層での低下が顕著でした。女性たちは「今年は衣類かアクセサリーでの費用を削減したい」と考え、他にも嗜好品や食料品でも購入を控える傾向が見受けられました。
無駄遣いの現状
最近無駄遣いだと感じた支出としては、ファッションアイテムやネット通販の購入が多く挙げられました。「クレジットカードでの支払いが多いため、つい余計なものを買ってしまう」という反省の声もあり、自分に甘い消費への警鐘が鳴らされています。
年金制度への満足度
年金制度に関する満足度は、受給前の15.6%から受給中では32.8%に倍増しました。これは、実際に年金を受け取ることで生活が確保される実感が生まれるためだと分析されています。「年金だけで十分生活できる」と感じる女性の声が多数あり、今後の消費行動においてもその影響があることでしょう。
投資の傾向
投資に関する満足度は5ポイント低下しましたが、NISAの利用率は11ポイントの増加が見られ、この世代において堅実な長期的投資志向が浸透していることを示しています。調査結果は、彼女たちがどのようにお金を守り、増やそうとしているかの視点を提供しています。
専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所の所長、梅津順江氏は、「50代以上の女性から生まれる新たな消費行動の背景には、物価高や将来不安、節約疲れがある」と指摘します。無駄遣いは、心理的疲労感からくる反動として生じているケースが多いようです。
彼女たちは、賢くポイ活を使用しつつも、時には自分に甘くなることで再び生活を楽しむことを求めているのかもしれません。今後も彼女たちの消費と投資に関する動きは要注目です。
結論
この調査結果からは、50代以上の女性がどのようにお金と向き合っているのか、またその満足度や無駄遣いに対する認識の変化が鮮明に浮かび上がりました。彼女たちは、節約と投資といった二つの側面をうまくバランスさせながら、新たな経済のリアリティにどう対応していくのか、今後の動向が非常に楽しみです。