2027年卒就職人気企業ランキング: 過去20年の変化
株式会社学情が発表した「2027年卒就職人気企業ランキング」の調査結果に基づき、過去20年間の企業人気の移り変わりを見ていきます。このランキングは、毎年多くの学生が注視するもので、企業の人気や業界トレンドを知るための貴重な資料となっています。
20年前: メーカーが人気の中心
2007年の卒業生が選んだ人気企業ランキングでは、サントリーが1位に輝き、トヨタ自動車が2位、資生堂が3位という結果になりました。この年のトップ10は驚くべきことに8社がメーカーで占められており、その中でも特に「電気機器」が4社も入っているのが目立ちました。ソニー、NEC、松下電器産業、日立製作所が並び、当時の日本の産業構造を象徴する結果となっています。
これらの企業は、長年にわたり日本経済とともに成長してきた実績があり、安定性と成長性が評価されたのです。
10年前: 航空業界が台頭
続いて、2017年のランキングでは、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)がそれぞれ1位と2位を占め、航空業界が強い人気を持っていたことがわかります。この年のANAは4年連続で1位を獲得しており、品質やサービスの向上が評価されていました。しかし、この人気は2020年以降、コロナウイルスの影響で急落することになります。
一方で、食品企業が上昇する傾向にあり、味の素や森永製菓、サントリーホールディングスが新たに名を連ねるようになりました。また、金融業界でのトップ企業は、マイナス金利政策による厳しい状況下でランキングから姿を消していきました。
現在のトレンド: エンタメとコンテンツが主力
2020年卒以降は、任天堂や集英社、KADOKAWAなどエンターテインメントやコンテンツ産業に属する企業の人気が急上昇しています。特に、ゲーム業界は情熱的なファン層を有しており、その影響力は計り知れません。コンテンツの多様化とともに、こうした企業が次世代を担う人気企業としての地位を確立しています。
このように、就職人気企業ランキングは過去20年で大きく様変わりしました。今後も、この流れは続くと予想されます。従来の安定した職業だけでなく、若者たちが自分のやりたいことを重視するようになってきており、企業の人気もそれに応じて変化しています。
調査概要
このデータは、2025年3月から10月までの間に実施され、全国の大学3年生や大学院1年生を対象にした調査です。合計有効回答数は15,492件にのぼり、非常に広範囲にわたるデータを基に分析されています。
企業や業界、学生の意識の変化が反映されたこのランキングは、今後の就職活動における重要な指標となるでしょう。学生たちがどのような企業を選ぶのか、その選択肢が今後どのように変わっていくのかに注目が集まります。