新たな高層ビル『赤坂グリーンクロス』が評価される理由
積水ハウス株式会社と日本生命保険相互会社が共同で開発した高層オフィスビル『赤坂グリーンクロス』が、2024年5月に完成予定であり、すでに公益財団法人都市緑化機構が主催する「第24回緑化技術コンクール」において、最も権威ある“国土交通大臣賞”を受賞しました。この受賞は、気候変動への適応を目指し、持続可能な都市環境を実現するための優れた緑化技術への取り組みが評価された結果です。
緑化技術コンクールとは?
「緑化技術コンクール」は、民間企業や公共団体、個人の中から緑化技術に優れた成果を持つものを表彰する制度です。今年のコンクールでは、特に気候変動への対応や、自然との共生をテーマにした取り組みが重視され、作品は「緑化施設部門」と「特設テーマ部門」の2つで評価されました。『赤坂グリーンクロス』は、「緑化施設部門」での受賞となりました。
様々な技術が融合した高層オフィス
この高層ビルには、公開された空地「森のゲート」や、輻射熱を抑制するための多様な植栽構成を持つ壁面緑化が施されています。高さ150mに及ぶこのファサードは、意匠と構造、設備が融合した形で、都市環境に新たな価値を提供しています。また周囲の緑と調和し、都市に安らぎを与える空間を実現しています。需要が高まる都市環境において、「赤坂グリーンクロス」が持つ緑による貢献は大きく注目されています。
緑のインフラとしての重要性
また、当ビルの設計には、持続可能で健全な緑化を支えるための「大地」と据えた植栽基盤が整備されています。この基盤は、約1.5mの深さで構成されており、植物が根をしっかりと張るための環境が整っています。さらに、壁面緑化については、極細の構造ブレースを組み込むことで、建物の吸排気機能を取り入れ、街に対しても熱をたっぷりと抑制する設計がされています。
維持管理への取り組み
『赤坂グリーンクロス』の特徴の一つは、施工段階からの徹底した管理体制です。主要な緑地や施工部分には、高所作業車のアクセスを考慮した設計がなされており、剪定作業なども容易に行える環境が構築されています。また、メンテナンスがしやすいように、壁面緑化においては内部にメンテナンス用のデッキが設けられ、必要に応じてゴンドラを使用するなどの工夫が凝らされています。
未来の都市生活を見据えて
積水ハウスは、今後も環境に配慮した都市づくりに貢献し、より豊かな都市生活を実現するために技術と経験を活かしていく方針です。このような取り組みが評価された『赤坂グリーンクロス』は、未来の都市のかたちを示す重要な存在として多くの人々の期待が寄せられています。
基本情報
- - 所在地: 東京都港区赤坂二丁目4番6号
- - 主要用途: 事務所、店舗、育成用途、駐車場等
- - 規模: 地上28階・地下3階、建物高さ150m
- - 敷地面積: 約5,990㎡
- - 延床面積: 約73,450㎡
- - 緑地面積: 約2,300㎡(壁面緑化含まず)
このように、『赤坂グリーンクロス』は、挙げられた技術の数々と、持続可能な緑化への強い意志をもって、都市環境の一端を担うこととなります。