米カリフォルニア州に水素ステーションが誕生
日機装株式会社が展開するClean Energy & Industrial Gasesグループ(通称CE&IGグループ)が、アメリカ、カリフォルニア州ロングビーチに新たなる液化水素ステーションの建設を発表しました。このプロジェクトは、米カリフォルニアのサンディエゴに本社を置くWestAirとのコラボレーションにより実現します。
新設計によるボイルオフ損失の低減
水素の利用が広がる中、液体での貯蔵においてボイルオフガス(蒸発した水素ガス)の問題は重要な課題です。しかし、この新しいステーションに組み込まれた新設計により、ボイルオフガスの損失をほぼゼロに抑えることができるとしています。この革新的な設計は、FCバスへの充填や水素運搬トレーラーへの充填を並行して行えることが大きな特徴です。
水素供給の未来を見据えた拡張性
本ステーションは、H35(充填圧力35MPa級)に対応していますが、将来的にはH70(充填圧力70MPa級)への拡張も可能です。この拡張性は、南カリフォルニアで拡大する水素経済において非常に価値のある投資となるでしょう。水素を供給する infrastructure の発展を支え、地域のクリーンエネルギーの実現に寄与することが期待されています。
投資とパートナーシップの重要性
Nikkiso CE&IG Fueling Solutions部門のプレジデントであるMike Mackey氏は、「CE&IGグループは、液化水素ステーションの設計と設置において数十年にわたる経験を持っています。このプロジェクトにより、私たちの技術とWestAirのニーズが結びつき、新たな市場価値を創出できることを嬉しく思います」とコメントしました。
一方、WestAirのエネルギースペシャリスト、Chris Castiglione氏は、「日機装とパートナーシップを結ぶことで、この新しい水素ステーションがカリフォルニア全域のゼロエミッション貨物輸送を推進する重要な役割を果たすと確信しています」と述べています。
ステーションの仕様と運用
この水素ステーションは、FCバスや水素運搬トレーラーへの燃料充填に特化した設計が施されています。具体的には、以下のような技術が導入されています:
- - 用途:FCバスや水素運搬トレーラーへの同時充填が可能
- - 貯蔵技術:高度な断熱システムを備えた液化水素タンク
- - 圧縮システム:予備のポンプと一時貯蔵タンクを設け、トラブル時も継続運用が可能
- - 制御システム:高度自動化により、安全性と効率を確保
2026年の本格稼働を目指す
ステーションは2026年第1四半期までに本格運用を開始予定で、現地での試運転は2025年第4四半期に始まります。この施設の完成は、地域の水素供給インフラの発展に寄与し、より多くのクリーンエネルギーを活用する動きにつながるでしょう。
カリフォルニア州西部における水素の活用が進む中、この新しい水素ステーションは非常に注目される存在となることが予想されます。