株式会社KADOKAWAと株式会社ドワンゴが共同で開発した、業界初のバーチャルアーティスト開発プロジェクト「ポルタメタ」が、ついにそのベールを脱ぎました。
6月26日、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた記者会見では、プロジェクトの目玉となるバーチャルピアニスト「潤音ノクト」が3Dの姿で初公開され、東京交響楽団とのリハーサルが披露されました。
「ポルタメタ」プロジェクトは、バーチャルアーティストとプロオーケストラが異なる場所から演奏を行い、会場で完全に同期したアンサンブルを実現することを目指したものです。この目標を達成するために開発されたのが、新システム「リアルタイム運指反映システム」です。
このシステムは、バーチャルピアニストの演奏技術と表現力をリアルタイムに再現することに重点を置いています。特に、高速で繊細なピアノ演奏に対応するため、「正確でなめらかな指と鍵盤の動きを再現し、音と3D映像のタイムラグを最小化する」という技術課題に取り組まれました。
モーションキャプチャ技術とMIDIデータ認識を組み合わせることで、演奏のリアリズムと精度を大幅に向上させ、観客に新しい音楽体験を提供することを可能にしました。
今回の記者会見では、潤音ノクトが「リアルタイム運指反映システム」を使って、8月開催予定の「フェスタサマーミューザKAWASAKI 2024」の東京交響楽団との共演に向けたテクニカルリハーサルを行いました。
リハーサル後には、原田慶太楼(ポルタメタ審査委員長/東京交響楽団正指揮者)と潤音ノクトが登場し、コンサート本番に向けた意気込みを語りました。潤音ノクトは、「こんなに大きな音楽祭で演奏ができることが想像できませんでした。緊張よりもわくわくドキドキが勝っていて、本番が楽しみです!」と期待に満ちた表情でコメントしました。
原田慶太楼は、「フェスティバルの最後を華やかに締めくくりたい。そして常に未来を見ていきたいというメッセージを、音楽を通して、お客さんにお伝えしたいと思っています。その中で、今回のような未来性のあるプロジェクトは他にはないと思っていますし、テクノロジーとクラシックがマリアージュした素敵な空間になると思います。」と、プロジェクトへの期待を語りました。
「ポルタメタ」は、クラシック音楽の世界に新たな風を吹き込む画期的なプロジェクトです。バーチャルとリアルが融合した新しい音楽体験を、ぜひ体感してみてください。