ユーグレナ社とEcoCeres社、持続可能な航空燃料普及に向け連携
再生可能エネルギーへの転換が加速する中、株式会社ユーグレナとEcoCeres社は、日本における持続可能な航空燃料(SAF)と次世代バイオディーゼル燃料(HVO)の普及促進のため、基本合意書を締結しました。この連携により、日本の航空・運輸業界における環境負荷低減への貢献が期待されています。
両社の強みを活かした戦略的パートナーシップ
EcoCeres社は、世界をリードする再生可能燃料サプライヤーです。国際的な持続可能性カーボン認証(ISCC)を取得しており、年間35万トンものSAFとHVOを生産する能力を有しています。さらに、マレーシアに新たな大規模生産拠点を建設中です。一方、ユーグレナ社は、食用油と微細藻類ユーグレナ油脂から製造するバイオ燃料「サステオ」を展開し、陸海空のモビリティへの供給実績があります。微細藻類由来油脂の大規模生産技術の研究開発にも力を入れています。
今回の提携は、両社の強みを融合させた戦略的な取り組みです。EcoCeres社は、高品質なニートHVOの安定供給を担保し、ユーグレナ社は、日本の市場ニーズに合わせた品質調整や販売網を活用します。これにより、「サステオ」の更なる供給拡大と、日本市場におけるHVOの安定供給体制の構築が実現します。
SAF導入促進への期待
HVOに加え、両社はSAFの日本市場への導入促進にも注力します。それぞれの技術、リソース、ネットワークを共有することで、導入障壁の克服と普及加速を目指します。
すでに、ユーグレナ社はENEOSスーパー耐久シリーズにおいて、MAZDA SPIRIT RACINGのディーゼルエンジン車に「サステオ」を供給しており、その実績はEcoCeres社のHVOを活用したものです。この成功事例は、SAF普及に向けた取り組みの大きな推進力となります。
持続可能な社会への貢献
ユーグレナ社は、東京都の支援を受け、日本橋・大手町・丸の内エリアの再開発工事現場や観光バスなどに「サステオ」を継続的に供給しています。この取り組みは、官民連携による再生可能燃料普及の成功事例として注目されています。
EcoCeres社CEO James Ni氏は、このパートナーシップを「日本のSAFとHVO普及促進に向けた重要な一歩」と表現し、更なる持続可能性目標の達成に意欲を示しました。ユーグレナ社社長の出雲充氏も、「サステオ」の供給拡大と安定供給体制の構築に自信を示し、日本の温室効果ガス削減目標への貢献に意欲を燃やしています。
今後の展望
両社は、今回の合意に基づき、技術革新や研究開発を推進し、日本におけるSAFとHVOの普及を加速させます。日本のサステナビリティ目標達成に貢献するとともに、環境負荷の低減とクリーンエネルギーへの転換を促進していくことが期待されています。 このパートナーシップは、日本の脱炭素化に向けた重要な一歩であり、将来の持続可能な社会の実現に大きく貢献する可能性を秘めています。