TE Connectivityが見せた力強い成長
アイルランドのゴールウェイに本社を構えるTE Connectivity(NYSE: TEL)は、2025年度第2四半期の決算を発表し、力強い成長を記録した。売上高は41億ドルで、前年同期比4%増、実質では5%の成長が見られた。この成長を支えたのは、特にインダストリアルセグメントにおける二桁成長であり、同社の市場での競争力を明示する結果となった。
決算のハイライト
2025年度第2四半期のGAAPベースの1株当たりの利益(EPS)は0.04ドルという結果だったが、これは一時的な非現金税負担が影響した結果である。一方、調整後のEPSは2.10ドルで、前年同期比約13%の増加を示し、過去最高を記録した。この決算は、TE Connectivityの業績が安定し、成長するビジョンを実現していることを示している。
受注額も42.5億ドルに達し、前年同期比および前四半期比で6%の成長を記録。また、営業利益率は18.1%、調整後営業利益率は19.4%と、高い数値を示した。これらは、インダストリアルセグメントとトランスポーテーションセグメントの両方での好業績によるものだ。
株主還元と企業買収
TE Connectivityは上半期の営業活動によるキャッシュフローが15億ドル、フリーキャッシュフローは約11億ドルに達したと発表し、株主への還元額も約10億ドルに上った。さらに、増配率は9%とし、株主に対する姿勢を示している。
また4月にはRichards Manufacturing社の買収を完了し、北米でのユーティリティ市場におけるさらなる成長機会を狙っている。この買収により、同社の競争力が一層強化されることが期待される。
環境への取り組み
TE Connectivityは「One Connected World」として企業責任報告書を発行し、過去4年間でScope 1およびScope 2の温室効果ガス排出量を80%削減した実績を報告した。持続可能な社会の実現に向けた取り組みにも力を入れている。
CEOのコメント
最高経営責任者(CEO)のテレンス・カーティン氏は、今回の決算に対して「過去最高の調整後EPSを達成し、成長を見込む中で全体業績が予想を上回った」と述べ、特にアジア市場におけるトランスポーテーションセグメントの堅調さを強調した。また、インダストリアルセグメントの成長が営業利益の拡大にも寄与していると語った。
第3四半期見通し
次の四半期にあたる2025年度第3四半期では、約43億ドルの売上高を見込んでおり、これは前年同期比8%増となる。また、継続事業からのGAAPベースのEPSは約2.02ドルを見込み、前年比9%増を目指している。この計画には、Richards社の買収や関税の影響が反映されている。
結論
TE Connectivityは今後も継続的な成長を追求し、迅速な経営判断を基に、マクロ経済環境の変化に柔軟に対応するとしている。インダストリアル・テクノロジーリーダーとして、さらなるイノベーションを追求にどう影響するか、業界全体が注目している。彼らの今後の展開がどうなるか、引き続き目が離せない。
TE Connectivityは、85,000名以上の従業員を誇り、世界130カ国で顧客のビジネスをサポートする。その理念は「EVERY CONNECTION COUNTS」。