建設業界での熱中症対策の進化
株式会社荒木組(本社:岡山市北区天瀬)が、建設業界の従業員を守るための新たな取り組みを始めました。この会社は、熱中症による労働災害をゼロに近づけることを目指し、体調の変化を可視化する「見える化」システムを導入しました。これは、特に近年増加している熱中症のリスクに対して、より実効的な対策を講じるための重要な一歩です。
熱中症リスクの増加と制度改正の背景
全国的に熱中症による労働災害が増加している中、令和5年6月1日に施行が予定されている改正労働安全衛生規則にも対応しています。熱中症は単に気温や環境だけでなく、個々の体調や体質によってもリスクが異なるため、徹底的な対策が求められます。
具体的には、
- - WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)28度以上、または気温31度以上の条件下で行われる作業や、連続1時間以上、または1日4時間を超える作業が義務化されます。このためには、作業の監視体制や手順を明確化し、従業員に周知徹底することが必要です。
荒木組の取り組み
荒木組では、従来より「熱中症対策11箇条」という独自のルールを策定し、屋外作業所に日陰やミストファン、扇風機の設置、さらには経口補水液や塩タブレットを常備するなど、予防策を講じてきました。
新たな施策:ウェアラブルデバイス「Smartfit」
新たに導入された「Smartfit」は、作業員の心拍数や熱ストレスをリアルタイムでモニタリングできるウェアラブルデバイスです。これにより、作業中の従業員の体調変化を遠隔からも確認することができ、早期の異常検知や自己判断の補助に役立ちます。この取り組みは法令で義務化されていないものの、荒木組独自の健康管理施策として位置付けられています。
今後の課題と展望
組織は現在、人手不足や高齢化といった課題に直面しており、従業員の命と働きやすさを守ることが現場の持続的な運営や企業の信頼性向上に繋がると考えています。そのため、現場からの意見や課題を吸収し、安全性や健康面での質を高める取り組みを継続していきます。
最終的には、地域に根付いた建設会社として、将来的な担い手に選ばれる職場を作り上げることを目指しています。
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