オークネットが発表した2024年7月の中古車市場価格指数
株式会社オークネット(本社:東京都港区、社長:藤崎慎一郎)は、企業内ラボ「オークネット循環型流通ラボ」を通じて、2024年7月の「中古車市場価格指数」を発表しました。この報告書は、日本国内の中古車市場の動向を把握するための重要な指標となっています。
通常、日本の中古車市場では「平均取引価格」がしばしば基準として用いられています。しかし、この指標は取引される中古車の品質の変化を正確には反映できません。オークネットでは、より実態に即した指標を提供するために、東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)との連携により、「リユース流通価格指数」を開発しました。この価格指数は、オークネットが取り扱う年間40万台以上の中古車データを基にしており、さまざまな車両の特性を考慮した上で、実際の中古車価格の動きを客観的に測定できるものです。
2024年7月の「中古車市場価格指数」は、基準年の2008年7月を1とした場合、2.281に達し、前月の2.249から1.40%の増加を示しました。一方で、平均取引価格は同じく基準年として1.493と前月の1.491から0.15%の微増にとどまり、ほぼ横ばいの状態です。この状況からは、高品質な中古車の流通が減少し、全体的な相場が上昇していることが推測されます。
さらに、ボディタイプ別に見ると、コンパクトカーが3.92%上昇し、ミニバンやミッドサイズ車、ラグジュアリーカー、SUVなどでも値上がりの傾向が見られます。ただ一方で、バンやトラックのカテゴリは1.48%の下落が見られ、分野によって価格の変動に差が出ていることも確認されました。
オークネット循環型流通ラボは、1985年にリアルタイムの中古車オンラインオークション事業をスタートして以来、35年以上の実績を有しています。2022年6月には、持続可能な流通を目指す企業内ラボとして設立され、UTEconとの密接な連携を通じて、流通市場の分析と研究に取り組んでいます。
今回の価格指数を通じて、オークネットでは、質の高い中古車が減少しつつある一方で、全体の市場状況が上昇傾向にあることを示したことに意義があります。これにより、中古車市場の健全な流通が保たれるように、今後も月次レポートを公開し、透明性の高い情報を提供していく予定です。
結論として、オークネットの「中古車市場価格指数」は、中古車市場における価格の動向を明確に示す重要な指標となるでしょう。今後の市場の変化にも引き続き注目していくことが求められます。