慶應で泉鏡花展
2016-09-07 15:31:41
泉鏡花のギャラリーへ!慶應義塾図書館の特別展が開催
第28回慶應義塾図書館貴重書展示会『鏡花の書斎 -「幻想」の生まれる場所-』が、ここ慶應義塾図書館で開催されます。本展示会では、文学界に輝く影響を与えた泉鏡花に焦点を当て、彼の独特な想像力をもとに生み出された名作群や彼の書斎を再現・展示します。
展示の主な内容は、鏡花の自筆原稿や遺愛品が約100点、特に彼の書斎の遺品が多く展示されることが注目されています。『草迷宮』や『天守物語』などで知られる鏡花の書斎は、いかに彼の作品に影響を与えたのか、またどのように彼の幻想文学が生まれたのかが、実際の遺品や原稿を通じて語られます。
特別な展示の数々
中でも、驚くべきは書斎を再現する試みで、貼り交ぜ屏風や紫檀の文机、水晶の兎などが展示されることで、来場者はまるでその場にいるかのような感覚を得られます。さらに、昨年確認された横山大観による絵画が施された羽織も初公開され、その魅力を引き立てています。
展示内容は以下のように多岐にわたります:
1. 物語の源 - 鏡花の作品の背景に迫ります。
2. 紡がれるコトバ - 自筆原稿 - 特に『化鳥』など、魅力的な眼で見つめられる作品の数々。有名な作品だけでなく、彼の文学活動を詳しく知ることができます。
3. 「譚」の系譜 - 鏡花がコトバにした幻想の流れを探ります。
4. 人との由縁 - 父母への想い - 鏡花の家族との関わりや影響について掘り下げます。
5. 「信」の領域 - 鏡花が信じた世界観や哲学を探求します。
6. 人との由縁 - 作家としての交流 - 鏡花が交わったさまざまな交流を展示します。
7. 鏡花本 - 物語る形 - 彼の作品のスタイルと物語どうしの繋がりを示します。
ギャラリートークも開催
展示に関する深い知識を持つ展示会監修者によるギャラリートークも行われます。具体的には、10月9日(日)と10月10日(月・祝)の14:00から、慶應義塾大学の名誉教授松村友視氏、ならびに文学研究科の鈴木彩さん、富永真樹さんが解説を行います。
来場者は展示物の背後にある物語や、その稀少性についての直接的な説明も受けられます。
遺品の魅力に触れる
展示される遺品には、鏡花が愛用していた様々なアイテムが含まれます。特に、彼が母から贈られたという水晶の兎や、自筆の原稿『化鳥』はその象徴的な一部です。彼の執筆机の上にあった水晶の兎は、日常の執筆作業がどれほど彼にとっての信頼の証であったかを物語っています。また、慶應義塾図書館が収蔵する原稿は約180点もあり、特に自筆原稿の中の一篇である『註文帳』は、その背景を知ることで読み解くことの楽しみが増します。
この展示会は、幻想文学に対する理解を深めると共に、泉鏡花という稀有な文学者の世界を体験する素晴らしい機会です。文学ファンに限らず、多くの方々に訪れていただきたいと思います。
詳しい情報は慶應義塾図書館の公式サイトをチェックしてください。
会社情報
- 会社名
-
丸善雄松堂株式会社
- 住所
- 東京都港区海岸1-9-18国際浜松町ビル
- 電話番号
-
03-6367-6017