Z世代が見る企業の社会的発信
近年、ファッションブランドによる社会的発信が増加しています。「サステナブル」「人種差別」「ジェンダー格差」など様々なテーマが取り上げられる中で、Z世代はその発信をどう評価しているのでしょうか。
Z世代と社会問題への感度
株式会社ザ・ゴールが行った調査によると、Z世代(20代)は社会問題に対する理解や関心が非常に高く、他の世代と比べても明らかに際立った傾向があります。調査対象となった全23種類の社会問題について、世代別に見てみると、特に「共有」や「関与の意向」においてZ世代の割合が高いことが分かります。実際に「共有」は20.0%、関与経験は22.9%、関与の意向は33.7%という結果が出ています。また、20代前半に限定すると、関与意向が37.7%にも達することが明示されています。
この結果から、Z世代は上の世代よりも社会問題に対する敏感さ及び行動意欲が高いことが伺えます。特に、森林伐採や脱プラスチック、労働問題といった環境関連のテーマについては彼らの評価が高いです。
Z世代が求める企業の取り組み
Z世代にとって重要なのは、企業がどのように社会問題と向き合っているかです。この世代は「社内制度の導入」や「商品・サービスへの落とし込み」といった実務に根ざした取り組みを高く評価しています。また、政治への参加を呼びかける発信に対しても未だタブー視せず、好意的反応を示しています。
しかし、彼らは一方で「偽善」や「商業目的」といったネガティブな印象にも注目しているため、企業の発信には高い敏感さを持っています。例え社会問題に取り組んでいても、その背景にある真意を見極める目を持っているため、企業はその姿勢に対して誠実さを求められるのです。
Z世代に刺さる発信のポイント
最後に、企業やブランドがどのような社会問題に関する取り組みを行った場合にZ世代が好意的に反応するかを見ていきましょう。調査によると、特に「ジェンダー系テーマ」に関してはZ世代の信頼感が+18.3pt、また「環境問題」に対する購入意向は+13.8ptと、他の世代よりもポジティブな反応を示しています。このように、企業が環境問題やジェンダーといったテーマに真摯に取り組む姿勢が、購入意向を向上させる要因となっています。
まとめ: Z世代がブランド選びに求めていること
Z世代にとって、企業の社会的発信は購買意欲を高める重要な要素となっています。彼らは、単にブランドのイメージや商品の品質だけでなく、その背景にある企業の姿勢や行動理念を重視する傾向が強いです。このことから、Z世代に支持されるためには、一貫性や誠実なコミュニケーションを持った取り組みを行うことが不可欠です。
株式会社ザ・ゴールでは引き続き、Z世代のリアルな感覚を可視化し、企業のマーケティングやブランディングに役立つ情報を提供していく予定です。