SDGs推進の現状と課題を探るビジネスパーソン調査の結果
株式会社東急エージェンシーが運営するSDGsプランニング・ユニット「POZI」は、ビジネスパーソンを対象にした「SDGs実行力と発信力に関する調査」を実施しました。この調査は、国内の企業やビジネスパーソンのSDGsへの取り組みの現状や課題を分析するもので、3回目の実施となります。調査結果からは、以下のような重要なポイントが明らかになりました。
認知度の高まりと理解度の低さ
調査によると、SDGsの名称認知度は約90%に達しました。これは、日本のビジネス界において「SDGs」という言葉が広く知られていることを示しています。しかし、実際の内容について理解している人はわずか14%にとどまり、認知と理解の間には大きなギャップがあることが浮き彫りになりました。この結果は、SDGsへの関心が高まっているものの、実際にどのように行動に移しているかに関してはまだ多くの課題が残されていることを示しています。
SDGs体制の整備状況
2022年と比較すると、全社レベルでの体系整備は停滞していることが明らかになりました。特に、企業内でのSDGs推進部門と現場の従業員との間のギャップは拡大している可能性があり、サステナビリティの考え方や取り組みが社内で浸透していないことが問題視されています。これにより、企業全体のSDGs推進の効果が損なわれている懸念があります。
意識のギャップ
全社対応の責任者や担当者は、SDGsの環境問題やガバナンスに関して「十分に行っている」と自己評価していますが、現場の一般社員の回答では「不足している」と感じている人が増えています。こうした意識のズレは、企業文化の根幹に関わる問題であり、今後の対応が求められます。特に、アクティブなSDGs推進を進めるためには、現場従業員の意識を高めることが不可欠です。
情報発信の乖離
さらに、SDGsに関連する取り組みについての情報発信状況も、責任者と現場従業員で逆の傾向が見られました。責任者は情報を発信していると答える一方で、現場の一般社員はその活動についておそらく認識しておらず、計画や検討を始めているとの回答が増える結果となりました。これは、企業内部での情報の伝達や共有が十分に行われていないことを示唆しています。
課題の解決に向けて
POZIでは、こうした調査から得られた知見をもとに、企業へ具体的な施策提案を行っています。「SDGsポジショニング診断」という独自のツールを活用し、企業のSDGsへの取り組みを5つのタイプに分類し、それぞれの課題や強化ポイントを明らかにします。この診断を通じて、企業のSDGs対応力を科学的に分析し、効果的なコミュニケーション戦略を設計することが可能になります。さらに、ブランディングに向けたワークショップメソッド「V-WAYSTM for SDGs」も提供し、参加者のモチベーションを高めながら、具体的なSDGs施策を策定する支援を行っています。
まとめ
SDGsは、今や多くの企業が取り組む重要なテーマとなっていますが、その実行力や発信力には改善の余地が多く残されています。特に社内での意識の統一やコミュニケーションを円滑にすることが、今後のSDGs推進には必須です。私たちPOZIは、これからも企業のサステナビリティ推進をサポートし、実行力と発信力の向上を目指していきます。