書店の未来を考える「みんなの書店」プロジェクト
最近、全国の書店が苦境に立たされている中で、ニューホライズンコレクティブ合同会社が立ち上げた「みんなの書店」プロジェクトが注目を集めています。このプロジェクトは、ミドルシニア世代とZ世代の若者が協力しながら、2050年の書店の形を模索することを目的としています。
プロジェクトの背景と目的
「みんなの書店」プロジェクトは、ライフシフトプラットフォーム(LSP)を利用して、書店の復活を目指すものです。LSPは、年齢を理由に活躍の制約を受けることなく、プロとしての価値を発揮できる環境を提供するためのプラットフォームです。参加したのは、NHプロフェッショナルパートナーの山内龍介さんが中心となり、実際のビジネスに直結した課題解決を目指すIdentity Academyの大学生31名です。
8月8日、彼らは実社会の書店問題をテーマにしたプレゼンテーションセッションを開催しました。このセッションでは、全国の書店社長との議論を通して新たなビジネスモデルの提案が行われます。
プレゼンテーションの様子
2ヶ月間の構想期間を経て、学生たちは全国各地の書店を訪れ、現場の声を直接聞きました。最終的に彼らは6つのチームに分かれ、それぞれのアイデアをプレゼンテーションしました。この日は、実際に書店を経営している5社の社長が参加し、「実施検討」や「興味アリ」といったフィードバックを与えながら審査を行いました。
Z世代の視点
Z世代の学生たちは、書店が持つ地域貢献の可能性や、紙の本が持つ価値に注目しました。また、未来の書店業態を考えた際には、単なる販売場所ではなく、イベントやコミュニティスペースとしての機能の重要性も提案されました。特に印象的だったのは、AIを用いた新サービスのプロトタイプを発表したチームです。実体験を元にしたプレゼンテーションが、書店社長たちに共感を呼び起こしました。
書店経営者の反響
書店経営者たちは、学生たちとの直接的な交流を「とても面白かった」と高く評価しました。特に、未来を見据えた事業構想に対しての意気込みが感じられ、「Z世代を専任で起用し、実際に事業化を目指したい」との声も上がりました。一方、一部の経営者からは「全てのアイデアがそのまま実現可能ではないが、実現の可能性を考慮する価値はある」と慎重な意見も寄せられました。
未来に向けたステップ
プロジェクト発起人の山内さんは、このセッションを通じて学生たちが多彩なアイデアを提案したことに感動を覚えたと語り、今後はこれらのアイデアをもとに5書店への再提案が行われる予定です。学生たちの発想力と、協力する書店の意欲によって、「みんなの書店」プロジェクトがもたらす未来に期待が寄せられています。
今後の展望
このプロジェクトを通じて、書店という存在が単に本を売る場所から、地域社会に貢献する多機能な空間に変化していくことが期待されます。
店内でのイベントやコミュニティスペースとしての機能を取り入れることで、若い世代の来店を促し、書店の新たな価値を生み出すことができるのではないでしょうか。これからの展開に目が離せません。
「みんなの書店」プロジェクト開催概要
- - 日時: 2023年8月8日(木)19時30分~21時30分
- - 会場: ニューホライズンコレクティブ合同会社銀座オフィス
- - 参加書店: 今井書店、啓林堂書店、トップカルチャー、有隣堂、ニューコ・ワン など
- - 協力: 三洋堂ホールディングス