増加する訪日外客、飲食店のヴィーガン対応に課題と新たなチャンス

増加する訪日外客と飲食店の多様性への対応

日本の観光業界は、訪日外国人客数が過去最高を更新し続ける中、飲食店の食の多様性への対応に課題が残っています。テーブルマーク株式会社は、全国の300名の飲食店関係者を対象にインバウンド対応の実態調査を実施しました。本調査では、食文化における多様性に対する飲食店の姿勢が明らかとなり、特にヴィーガンやベジタリアン向けメニューへの対応が遅れている実情が浮かび上がりました。

インバウンド需要の急増

2024年2月から2025年8月の約18か月間で、訪日外国人客数が前年を上回り続け、2,000万人を超える勢いです。しかし、飲食店はこの成長を十分に活かしきれていないのが現状です。調査によると、実に32.7%の飲食店がヴィーガンやベジタリアンからメニューに関する要望を受けたことがあると回答していますが、実際にヴィーガンやベジタリアンに常時対応している店舗はわずか4.3%に過ぎません。

飲食店の負担とジレンマ

さらに、54.3%の飲食店がヴィーガンやベジタリアンへの対応を「負担になる」と感じています。さまざまな理由が複合的に影響を及ぼしているため、実際に対応をしたくても難しいというジレンマに直面しているのです。調理オペレーションやメニュー開発の難しさ、味や満足度の確保といった点が主な課題として挙げられています。例えば、事前に通告されなかった当日の対応や、十分なメニューがないことが原因で、顧客の要望に応えられず、無理やりお断りする事例も多々あります。

求められる支援と取り組み

このような状況の中で、飲食店が求める支援としては、「メニュー例の提供」や「冷凍食品など調理が容易な専用メニュー」が上位に挙げられました。簡単に導入できる支援策が期待されている背景には、調理工程が増加し、手間がかかることや、メニューの開発に苦労している実情があります。こうした支援があれば、飲食店が多様な食文化に対応しやすくなるでしょう。

新たなビジネスチャンスが生まれる

一方で、ヴィーガンやベジタリアンへの対応を前向きに捉え、飲食店にとって新たなチャンスと考える動きも出てきています。「対応していて良かった」との声が増える中、感謝されたり、常連客として戻ってくるケースも多く、良い経験が店舗の魅力アップにつながる可能性が見込まれています。

BEYOND FREEの提案

テーブルマークが展開する『BEYOND FREE』では、ヴィーガンやベジタリアン向けの多彩なプラントベース商品を取り揃えています。この商品群は、現場のオペレーション負担を軽減しつつ、味や見た目にも配慮した設計が特徴です。魅力的なメニューの提供が可能になることで、飲食店はいっそう多様な顧客ニーズに応えることができるようになります。

日本の食文化が多様性を受け入れる姿勢を見せつつある今、飲食店が持つ可能性は広がっています。訪日外客にとっても、こうした新しいメニューの選択肢が増えることで、より豊かな食生活を享受できるようになるでしょう。即ち、飲食店側からも新たな市場開拓の機会が提供される時代が到来しています。今後の取り組みに注目が集まります。