日本からタイへ派遣された建築専門家チームの役割と意義

令和7年4月16日から19日の間、国土交通省がタイに派遣する建築分野の専門家チームについてお知らせします。この派遣は、3月28日に発生したミャンマーの地震によるバンコクの高層ビルなどの建築物の崩壊や被害を受け、確かな安全対策を講じるために行われます。今回の派遣は、タイ内務省からの要請に基づくものであり、国土交通省としても、タイの建築物の耐震性や安全性を高めるために尽力しています。

専門家チームの構成

派遣される専門家は以下の3名です：

- 多田英明

　国立研究開発法人建築研究所で国際協力審議役を務める。

- 小豆畑達哉

　国際地震工学センターのシニアフェローとして、地震に関する深い知見を持つ。

- 小原拓

　国土技術政策総合研究所にて建築研究部の主任研究官を務める。
このように、幅広い専門気を持つチームがタイの建築安全性の向上に向けて協力します。

なぜタイか

タイは地震の影響を受けやすい地域に位置しており、特に都市部では新しい建築物が次々と建設されています。しかし、自然災害に対する備えや建築物の耐震設計は、まだ十分とは言えません。
この背景の中で、日本の専門家が持つ技術や知識が、タイの建築安全性向上に役立つのです。また、日本は過去に多くの地震を経験しており、その教訓を活かした耐震技術の開発が進んでいます。このため、日本からの支援はタイにとっても非常に価値があるものとなるのです。

今後の活動

派遣された専門家たちは、現地の被害状況を視察した後、具体的な助言や改善提案を行います。また、タイの建築関係者との協議を通じて、日本の技術をどのように活かすかを検討します。
さらには、地震に強い建物の設計や施工に関する研修も行い、現地の技術者たちが自らの力で建物の安全性を確保できるよう支援していく予定です。これは単なるアドバイスに留まらず、持続的な技術移転の一環でもあります。