2025年7月の職種別賃金伸び率ランキング分析
日本の求人市場を対象にした最新の賃金伸び率ランキングが発表されました。株式会社フロッグが提供するこのデータは、アルバイト・パート、派遣、正社員に分けられた賃金の動向を分析したもので、特に注目されるのがアルバイト・パート部門です。
概要と調査方法
この調査は、主要な求人サイトからのデータを基に行われており、雇用形態ごとに異なる賃金の動きが明らかになっています。アルバイト・パートは「イーアイデム」「バイトル」「マイナビバイト」、派遣は「はたらこねっと」「エン派遣」、正社員は「doda」「type」「エン転職」「マイナビ転職」と多岐にわたります。
最初に、厚生労働省の中央最低賃金審議会が最低賃金額を決定する会議を開催するとあって、賃金に関する注目度が高まっていますが、実際に各職種の変動はどうなっているのでしょうか。
各雇用形態の賃金動向
アルバイト・パート
2025年7月のアルバイト・パートにおける賃金伸び率は、建設・土木・エネルギー部門が前月比+6.11%でトップを飾りました。この職種では、株式会社ケイ・マックスが時給2,333円の求人を大量に出稿し、平均時給を押し上げました。
一方、賃金減少が見られたのは「映像/イベント/芸能/キャンペーン」で、前年から-3.56%の減少を記録しました。特にこの分野では高時給求人の減少が影響を与えています。
派遣
派遣労働者においても、クリエイティブ(Web系)が前月比+2.74%と伸びを示し、特に2025年6月から7月にかけて高時給求人の増加が顕著でした。教育やスポーツ分野もわずかに伸びましたが、製造業は横ばいの状況です。
正社員
正社員の賃金ランキングでは、「クリエイティブ(Web以外)」が最上位に位置し、増加額は+2,239円、増加率は+0.76%に上りました。逆に医療・医薬・福祉分野は減少し、採用市場の需要変化が鮮明です。今回のデータからは、商業的な分野が堅調であるのに対し、伝統的な分野が苦戦している姿が浮かび上がります。
まとめ
全体として、2025年7月度の賃金伸び率は職種によるばらつきが大きいことが分かりました。建設業界は依然として強い需要を誇っており、今後もこの傾向は続くと予想されます。逆に競争が激化したり、求人が減少したりする業界では賃金にも影響が出るため、職種選びが非常に重要になっています。変化の激しい日本の雇用市場で、今後どのような展開がみられるのか注目が集まります。
この調査を通じて、求人ビッグデータがどのように利用されるか、その重要性を再確認する機会となりました。今後もフロッグ社のデータに注目していきたいと思います。