伊賀川のごみ流出削減に向けた取り組み
愛知県の伊賀川を舞台に、ごみ流出を減少させるための取り組みが進められています。日本財団が推進する「海と日本プロジェクト」の一環として、八千代エンジニヤリング株式会社と岡崎市が協力し、伊賀川に流出するごみのモニタリングを行いました。調査の結果、具体的な改善策が実施された後にごみ流出量が減少したことが確認されました。
調査の概要
この調査は、2024年7月から2025年3月にかけて行われ、伊賀川の上流にあたる石神橋と下流側の坂谷橋にモニタリング機器が設置されました。また、2024年9月にはごみステーションの改良が行われ、防護ネットの取り付けも実施されました。この一連の対策により、前後のごみ流出量の違いが評価されました。
評価の結果として得られたのは、改良後にはごみ流出量が明らかに減少したことです。しかし、調査の実施が単年度に限られているため、複数の要因が絡む評価が新たな課題として浮き彫りになりました。
現状分析と課題
海と日本プロジェクトでは、街中で発生したごみが最終的に川や海へ流出してしまう現状に着目し、町のごみ問題の可視化を行いました。その結果、川沿いには散乱したごみが多く見受けられ、特にごみステーションからの雨水による流出が影響していると考えられています。これらのステーションの多くには防護ネットが設けられておらず、対策が急務とされています。
今後の取り組み方
これまでの調査結果を踏まえ、いくつかの課題が浮かび上がっています。今後の取り組みは以下の通りです。
1.
季節による流出量の違いの評価
- 雨の多い時期には流出量も違い、今後は季節に応じたデータの分析が必要です。
2.
データ取得の拡充
- 改良前後でのデータが不十分であるため、より多くのデータを集める努力が不可欠です。
3.
常時防護ネットの装着
- 防護ネット設置による効果が確実に現れているため、未設置のステーションへの導入が必要です。
4.
その他のごみ発生源の特定
- ごみ流出の原因はごみステーションだけに留まらないため、雨水桝や排水溝からの流出も調査し、対策を講じる必要があります。
まとめ
幅広い取り組みが進んでいる中で、今回の調査結果は川へのごみ流出を減らすための大きな一歩といえます。しかし、季節的な違いや新たな発生源の調査も含め、今後のさらなる調査が求められています。このような取り組みが広がることによって、全国で川や海の環境保護が進むことが期待されます。海と日本プロジェクト in 愛知県は、今後も地域のごみ問題に積極的に取り組んでいきます。