氷見市に日本初のインクルーシブ遊具が寄贈される

震災復興を遊びで支援

富山県氷見市は、地元の企業が連携し、能登半島地震の復興に向けた新たな取り組みを始めました。株式会社岡部と三興土木株式会社は、特に被害が甚大だったこの地域に、インクルーシブな遊具を寄贈しました。この寄贈は、地元の子どもたちに新たな遊び場を提供するだけでなく、心のケアをも兼ねたプロジェクトです。

寄贈の背景

能登半島地震は、氷見市に大きな影響を及ぼしました。家屋の倒壊や道路の亀裂など、生活基盤の復旧が優先される中、遊具の整備までは手が回りにくい状態が続きました。しかし、遊びは子どもたちにとって重要な精神的支えであり、担当の岡部竜一代表は「遊びを通して安心感を回復させたい」と感じ、遊具の寄贈を決定しました。

インクルーシブ設計の遊具

寄贈された遊具は、単なる遊び道具ではなく、多様な子どもたちの特性を大切にする設計が施されています。保育施設に設置される遊具は、ハーバード大学の多重知能理論に基づき、子どもたちの様々な側面を育む工夫がされています。これにより、遊びを通じて「8つの知能」をバランスよく発達させることが期待されています。また、このプロジェクトは、世界の先進国に目を向けた共同研究とも連動し、インクルーシブな遊具の開発を進めています。

採用された遊具の種類

寄贈される遊具は、主に以下の三つです。

1. ドラムサークル
- 音楽とリズムに合わせて遊ぶことができ、協調性や社会性を育むツールとして機能します。個々のペースで楽しむことも可能です。

2. インクルーシブなシーソー
- 多様な年齢や発達段階の子どもたちが一緒に遊べるデザインです。バランス感覚や筋力を養い、仲間とのコミュニケーションを楽しむことができます。

3. ブリのスイング遊具
- 氷見市の特産品であるブリをモチーフにしたデザイン。この遊具の揺れにはリラックス効果があり、情緒支援にも寄与します。