量子暗号でEDI接続検証
2024-08-02 12:40:03

インテックとキヤノン、量子暗号を用いた新たなEDI接続検証を達成

インテックとキヤノン、量子暗号技術で新たなEDF接続検証を実現



最近、株式会社インテックとキヤノンITソリューションズ、そして米国のクオンティニュアムの三社は、耐量子計算機暗号証明書を利用したインターネットEDIの接続検証を完了したと発表しました。この取り組みは、量子コンピュータの進化によってもたらされるセキュリティリスクに対処することを目的としています。

背景と意義



量子コンピュータの発展は、従来の暗号技術の多くが解読される危険性を高めており、NIST(米国商務省標準化技術研究所)は、この課題に対処するために、ポスト量子暗号(PQC)の標準化に着手しています。これにより、将来の情報システムがより強力なセキュリティを確保できるようになることを目指しています。

インターネットEDIとは、電子データ交換の一種であり、様々な業界でのビジネス取引を円滑に行うために使用される技術ですが、量子コンピュータの登場によって、そのセキュリティが脅かされています。このため、インテックとキヤノンITSは、量子暗号を組み込んだ証明書を用いた接続の検証を行うことに決しました。

具体的な取り組み



このプロジェクトでは、インテックのEDIアウトソーシングサービスとキヤノンITSのEDIパッケージソフトウェア間で、耐量子暗号証明書を利用した接続検証が実施されました。具体的には、インテックの電子証明書発行サービスにクオンティニュアムの量子乱数生成技術「Quantum Origin」を組み込み、NISTが提案する署名アルゴリズムを利用して、精緻なセキュリティを実現しました。

また、EDI通信内容のPQC暗号化を行う新たな「PQCゲートウェイサーバ」を開発し、暗号化された通信が実際のビジネス取引においても実用化されています。さらに、電子証明書の発行にあたっては、量子コンピュータによる未来の脅威に先手を打つ形で対策が講じられています。

今後の見通し



2024年には、NISTから暗号アルゴリズムの標準化候補に関する文書が公開される予定です。この文書を基に、インテックは商用販売の準備を進め、さらなるセキュリティ強化を図る方針です。また、クライアント専用の認証局を構築し、ユーザーのニーズに応じた電子証明書発行サービスを展開する予定です。

キヤノンITSも、量子コンピュータによる安全保障上の脅威に備え、EDI-MasterシリーズへのPQC機能の実装を進める計画です。これにより、より安全で効率的なインターネットEDIの環境を提供し続けることが期待されています。

まとめ



この新しい取り組みは、ビジネスシーンにおけるデータセキュリティの重要性を再認識させるものであり、インターネットEDIの未来に大きな影響を与えることが予想されます。量子暗号を使用することで、より安全な通信環境が実現されることは、企業にとっても非常に重要なステップとなるでしょう。


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会社情報

会社名
クオンティニュアム株式会社 
住所
東京都千代田区大手町1丁目9番2号大手町フィナンシャルシティグランキューブ3階
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