アーケム社の工場DXを支える「Pasteriot.mi」
三重県名張市に位置する株式会社アーケムは、製造業におけるデータ活用ソリューション「Pasteriot.mi」を導入し、その効果を公開しました。アーケムは、2022年にブリヂストンの化成品ソリューション事業部から独立した企業であり、主にシートパッド事業やスラブ事業を展開しています。
新たなDXへの挑戦
アーケムのCDXがスタートするきっかけとなったのは、新体制のもとでの工場のデジタル化(DX)への意識です。独立後、特に重要視されたのが製品の品質管理です。これまで職人の経験に頼っていた製造過程をデータに基づく管理にシフトさせることで、製品のバラつきを減少させ、安定した品質を確保しようとしています。
品質のバラつきを克服するために
シートパッド事業においては、過去に製品情報の詳細を把握することが難しく、現場のデータと品質結果を結びつけて分析することができませんでした。その結果、品質問題の原因を特定できずに、経験則に頼った調整が行われていました。スラブ事業でも、異なる温度や湿度条件下で製造することで、製品にバラつきが生じるなどの課題がありました。特に不良品が発生すれば、ウレタン素材の再利用が難しく、環境への影響も大きくなります。
データを基にした改善策の導入
そこでアーケムが選んだのが、DTSの「Pasteriot.mi」です。IoTや可視化、分析が一体的に実現できるこのソリューションによって、職人による暗黙知ではなく、データに基づいた製品改善を促進することが可能となりました。導入後、品質のバラつきを引き起こす要因が明確になり、その情報を基にした改善策を講じることで、製品の信頼性も向上しています。また、ウレタン廃棄物の削減に向けた新たな手がかりも得られ、環境問題への貢献が実現しました。
名張から始まるグローバルな展開
「Pasteriot.mi」の導入は、技術者のITスキル向上にも寄与しており、今後はDX教育ツールとしても活用される予定です。データ分析に強い技術者を育てることで、名張工場のDXの取り組みを国内外の拠点に拡大することを目指しています。このように、アーケム社は地域発のデジタル変革を進め、世界に向けてその成功を広めていこうとしています。
まとめ
アーケム社のDXの取り組みは、データ活用が製造現場にもたらしうる革新の一端を示しています。職人の技とデータ分析を融合させることで、より高品質な製品を提供する未来が開けることでしょう。「Pasteriot.mi」は、製造業が直面する様々な課題に対する解決策を提供し、持続可能な社会の実現へとつながります。
参考リンク