新たに拡大するプロジェクト「炎症性腸疾患との暮らしを、話せる社会へ。」
日本イーライリリー株式会社と持田製薬株式会社は、新たな「炎症性腸疾患との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトを開始しました。2023年7月から実施していた潰瘍性大腸炎に関する活動にクローン病を新たに加え、これらの疾患に対する理解を深めることを目的としています。
炎症性腸疾患とは
炎症性腸疾患には、潰瘍性大腸炎とクローン病の二つが含まれます。潰瘍性大腸炎は主に大腸粘膜に炎症を引き起こしますが、クローン病は消化管全体に影響を及ぼす可能性があります。これらの疾患を抱える患者さんの中には、日常生活での「便意切迫感」に悩む方が多く、突然の排便の必要性が生活の質を著しく低下させています。
調査結果の概要
最新の調査では、クローン病患者さんの99%が「トイレを気にせずに生活したい」との願望を抱いています。また、「トイレの待ち時間に不安を感じる」と回答した人は50%を超え、実に4人に1人が「仕事や学校を辞めた」という厳しい現実も明らかになりました。これらの結果は、便意切迫感が患者さんにとって非常に大きな課題であることを示しています。
患者さんの声
特設サイト(
こちら)では、潰瘍性大腸炎の患者さんからの体験談や調査結果、さらに「便意切迫さんのうた」などのWEB動画が紹介されています。新たにクローン病に関する情報も追加され、疾患に対する社会の理解を進めるための情報が提供されます。このプロジェクトは、患者さんがより快適な生活を送るためのサポートになることを目指しています。
医療の専門家からの見解
プロジェクトの監修医である慶應義塾大学の名誉教授、日比紀文先生は、便意切迫感の問題が多くの患者さんにとって話しづらいものであることを指摘しました。彼は、患者さんが医師だけでなく、看護師や薬剤師、栄養士に対しても気軽に相談できる環境を整えることが重要であると強調しています。このような社会の理解が進むことで、炎症性腸疾患を抱える方々の生活が向上しやすくなるのです。
計画の意義
このプロジェクトは、炎症性腸疾患の理解を促進し、患者さんが抱える課題を共有することによって、新しい治療法や生活支援に繋がる可能性があります。具体的には、便意切迫感に対応するために、どのようにして日常生活を調整できるか、他の患者さんの体験談を参考にしながら考えていくことが求められます。医療の現場と患者さんの意見との橋渡しを行うことが、今後の医療改善にもつながるでしょう。
今後の展望
プロジェクトでは、炎症性腸疾患の患者さんが抱える現実を広く伝え、理解を深めるための活動を続けていきます。また、調査によって得られた知見を基に、より良い支援策の構築に向けた取り組みが進められる予定です。患者さんの声が社会に届き、より良い未来へとつながることを期待しています。