アルツハイマー病診断への新たな可能性
近年、アルツハイマー病の早期発見が重要視されています。その中で、血液を用いて検査ができる試薬が米国で新たに承認されました。この試薬は、富士レビオ・ホールディングス傘下のFujirebio Diagnostics, Inc.によって開発され、全自動化学発光酵素免疫測定システム「ルミパルス G1200」で使用されるものです。
画期的な血液用試薬の承認
本試薬は、217位リン酸化タウ蛋白(pTau217)とβ-アミロイド1-42の比率を測定します。この比率を評価することで、脳内のアミロイドβ蓄積の状態を把握することができ、アルツハイマー病の診断補助として初めて米国食品医薬品局(FDA)からの承認を受けた血液用体外診断用医薬品となりました。
本試薬は、2024年9月に承認申請がされたもので、FDAよりBreakthrough Deviceの指定を受けています。これにより、アルツハイマー病の早期発見や診断の精度向上が期待されます。
低侵襲性で簡便な検査
従来の診断法では、脳脊髄液を用いる検査が多く、採取時に患者に対して侵襲性がありました。一方、今回の血液バイオマーカー測定試薬は、血液を採取するだけで済むため、検出がより簡便で、被検者への負担を軽減します。これによって、広範囲な検査が可能となるため、早期発見の機会を増やすことが期待されるのです。
アルツハイマー病領域へのグローバル戦略
富士レビオ・ホールディングスは、アルツハイマー病治療における課題を捉えた製品ラインの拡充に着手しています。過去2022年5月には、脳脊髄液中のβ-アミロイドを測定する試薬がFDAに承認され、今回承認された血液試薬はその流れを引き継ぐ形になります。アルツハイマー病の認知機能低下に対し、より良い診断法を提供することで、医療現場における重要な役割を果たすことが期待されています。
当社は今後、上市準備を進めるとともに、アルツハイマー病の診断と治療に貢献すべく、さらなる研究開発を継続して行ってまいります。新しい技術の導入と製品の開発は、患者にとっての福音となるばかりか、医療従事者の診断の負担を軽減する重要な一歩です。アルツハイマー病という厳しい闘病生活を送る患者やその家族にとって、より迅速かつ正確な診断を提供することは、希望をもたらすことでしょう。
これからも富士レビオ・ホールディングスの動向に注目が必要です。