Hacobuが新AIサービス「MOVO PSI」を導入し輸送の平準化を促進

Hacobuの新たな一歩：MOVO PSIの導入

株式会社Hacobuが、新しいAIサービス「MOVO PSI」を2024年11月1日から開始することを発表しました。このサービスは、運送の流れを平準化することで、お客様により良い物流体験を提供することを目的としています。Hacobuは、東京都港区に本社を置く企業であり、代表取締役社長の佐々木太郎氏がリードしています。

「MOVO PSI」とは何か？
このサービスは、「Production, Sales, and Inventory」の略であり、生産計画、販売計画、在庫計画を一元管理し、より効率的なサプライチェーンを実現するためのものです。これにより、企業間で情報を管理・共有し、在庫や輸送量の最適化を図ります。開発には、データサイエンスを活用する株式会社JDSCが携わっており、同社が持つAI基盤を用いて需給の予測やデータ分析を行います。

「MOVO PSI」の背景

このプロジェクトは、2021年からキリンビバレッジとのパートナーシップを通じて始まりました。物流課題解決を目指し、「輸送量平準化共同プロジェクト」が始動し、実際にβ版を用いた実証実験が行われました。さらに、2023年にはアサヒ飲料もこのプロジェクトに参加し、両社による実験から一定の成果が得られました。このように、企業間での協力は不可欠であり、共通のデータプラットフォームを構築することが求められています。

深刻化する物流問題

物流業界は「2024年問題」として知られる課題に直面しています。これは、トラックドライバーへの働き方改革関連法が適用されることによって、物流の停滞が懸念されている状況です。また、消費者の需要が予測困難であることから、メーカーや小売業者は在庫を多めに抱える傾向にあり、結果的に「ムリ・ムラ・ムダ」が生じる悪循環に陥っています。これらの問題を解決するため、「MOVO PSI」が求められているのです。

MOVO PSIの機能と効果

「MOVO PSI」は、企業間のPSI情報をシームレスに共有し、在庫の変動予測を行うための2つのAIモデルを搭載しています。初めのモデルは販売データをもとに在庫の変動を把握し、次のモデルは必要な補充数量を最適化します。このプラットフォームを活用することで、企業は輸送コストの削減と在庫の効率化が見込まれ、結果として全体の物流効率を向上させることができます。

成果と今後の展望

キリンビバレッジとアサヒ飲料との共同プロジェクトでは、実証実験を通じてそれぞれ輸送コストを6.2%から9.1%削減することに成功しています。このような成果は今後も続く見込みであり、2025年春頃までに全VMI拠点で「MOVO PSI」の導入を進め、持続可能な物流インフラの構築に寄与することを目指しています。

企業のコメント

Hacobuの佐々木社長は、「Data-Driven Logisticsが社会課題を解決する」という理念のもと、各企業との共同作業の重要性を強調しています。JDSCの加藤社長は、データサイエンスを通じて産業全体の課題解決に寄与する意義を述べ、キリンビバレッジの井上社長やアサヒ飲料の米女社長も、それぞれの企業が持つビジョンや社会的意義について語りました。