北ダルフール州の危機
2025-02-26 19:17:43

スーダン・北ダルフール州における医療支援中断の深刻な影響とは

スーダン北ダルフール州における医療支援の深刻な中断



2024年6月、スーダン北ダルフール州の州都エル・ファシール近郊にあるザムザム・キャンプでは、暴力の激化により医療援助活動が停止しました。国境なき医師団(MSF)は、現地の状況が極めて危険であり、医療提供が困難になっていると判断したのです。

この地域では、準軍事組織である即応支援部隊(RSF)とスーダン国軍の連合軍が激しい戦闘を展開しており、その影響を受けて多くの民間人が命や健康に脅威を感じています。食料不足や飢饉が広がり、現地の人々が心身ともに困窮する状況が続いています。MSFは、こうした悲惨な状況において援助を再開する手段を講じるとともに、国際社会に対して人道援助の拡充を強く求めています。

救急活動の困難さ



MSFによると、2月に入ってからの数週間で、キャンプ内の仮設病院には多くの負傷者が搬送されました。中でも、銃弾や爆弾の破片による重傷者が多く、十分な外科手術を行うことができなかったため、命を失う患者も出てしまったのです。病院内では11人の患者が亡くなり、うち5人は子どもでした。スーダンのMSF活動責任者であるヤヒヤ・カリラ氏は、適切な医療を受けることや、必要な場合にはエル・ファシールのサウジ病院に搬送することも困難に陥っていると述べています。

救急車への銃撃も増加しており、1月と12月には、MSFの救急車が2度にわたって攻撃を受けました。このような危険な状況により、外傷手術や緊急の医療処置が必要な多くの患者がザムザム・キャンプから逃れられずにいます。

生活が危機に



ザムザム・キャンプでは、飢えや生活困窮に苦しむ人々が急増しています。包囲や物資不足が続く中、最近の攻撃によって物資供給がますます困難となり、食料の入手がさらに厳しくなっています。MSFは、これまでの2年間にわたり、さまざまな厳しい条件の中で医療支援を続けてきましたが、最近の情勢の悪化によって活動停止を決定せざるを得なかったのです。

ザムザムには約50万人が避難しており、今後新たな避難者が増加する見込みです。彼らは学校や地域の建物、または野外で過ごす中で、生活の糧や安全を求めています。村や道路での暴力行為も報告されており、住居が焼き討ちにあったり、略奪、性暴力などが起きているという悲しい現実があるのです。

国際社会への訴え



MSFは、現地のスタッフと50万人を超える住民の安全を深く懸念しています。RSFや他の武装勢力に対して、民間人を守り、避難を求める人々が安全に避難できるように行動を起こすよう訴えています。さらに、MSFは、他の地域でも同様の人道的危機が続いており、適切な支援がなければ状況は悪化する一方だと警告しています。

今こそ、国際社会が行動を起こし、さらなる死や飢餓を止めるために具体的な対応をする必要があります。MSFは、すでに存在するリソースやネットワークを活かして、可能な限り支援を拡充することを求めています。この人道的危機に直面しているスーダンの人々に対し、世界が連帯し、支援を惜しまないことが求められているのです。


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会社情報

会社名
国境なき医師団(MSF)日本
住所
東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123

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