神戸大学蓮沼氏講演会:バイオものづくりの未来、最新技術と課題に迫る
ストックマーク株式会社が主催するオンラインセミナー、『神戸大学 蓮沼氏に学ぶ バイオものづくりの現在地 – 最新技術と今後の課題』が、2024年11月21日に開催されました。本セミナーでは、神戸大学先端バイオ工学研究センター長の蓮沼誠久氏が登壇し、バイオものづくりの最前線と、その将来展望について講演を行いました。
バイオものづくりとは?
バイオものづくりとは、微生物を利用して有用物質を効率的に生産する技術です。近年、SDGsの目標達成に向けた取り組みが加速する中、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現に大きく貢献する技術として注目されています。スマートセル技術を活用することで、従来の製造プロセスに比べて環境負荷を軽減し、革新的な材料生産やエネルギー供給が可能になる可能性を秘めています。
最新技術と今後の課題
蓮沼氏は、講演の中でバイオものづくりの現状と課題を詳細に解説しました。バイオ燃料やバイオプラスチックなどの需要の高まりを受け、バイオマスの安定供給、初期投資コスト、大規模生産の実現といった課題が浮き彫りになっています。
特に、バイオマス資源の安定確保は重要な課題です。原料となるバイオマスの供給が安定しなければ、バイオものづくり産業の持続的な発展は難しいと言えます。また、初期段階での技術開発や設備投資には多額のコストがかかります。そのため、経済的な面からの支援も必要不可欠です。さらに、産業レベルでの実用化には、大規模生産を実現する技術開発が不可欠です。
講演では、蓮沼氏が取り組む研究内容についても紹介がありました。出光興産株式会社との共同研究部門では、バイオ燃料やバイオ化学品、バイオ農薬などを製造するスマートセルの開発を進めています。また、「光合成微生物の力でサステナブルな細胞培養」や「バイオフェノールの生産性を向上させる新技術」の開発にも注力しています。これらの研究は、バイオものづくり分野における技術革新を推進し、持続可能な社会の実現に貢献するものです。
セミナー概要
セミナーはオンライン(Zoom)で開催され、参加費は無料でした。事前登録制となっており、多くの関係者や研究者が参加しました。講演後には質疑応答の時間も設けられ、活発な議論が交わされました。
蓮沼誠久氏プロフィール
蓮沼誠久氏は、神戸大学先端バイオ工学研究センターセンター長、神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科教授を兼任。専門は代謝工学、バイオプロセス。微生物や微細藻類を利用した物質生産に関する研究で、国際的な学術誌に多数の論文を発表しています。JSTやNEDOなどのナショナルプロジェクトの研究リーダーも歴任し、産官学連携にも積極的に取り組んでいます。
ストックマーク株式会社について
ストックマーク株式会社は、最先端の自然言語処理AIを活用した情報収集サービス『Anews・Astrategy』を提供しています。膨大なビジネスニュースをAIが分析し、企業の事業創造活動を支援しています。
まとめ
本セミナーは、バイオものづくりの現状と将来展望を理解する上で非常に有益な機会となりました。蓮沼氏の講演は、バイオテクノロジー分野の研究者や技術者だけでなく、持続可能な社会の実現に関心のあるすべての人にとって貴重な情報となりました。バイオものづくりは、今後の社会において重要な役割を果たす技術であり、その発展に期待が集まります。