地域に光を取り戻す、事業承継で広がる新たな未来
株式会社ライトライト(宮崎県宮崎市)が運営する、事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」は、地域の小規模事業者が抱える課題に真正面から取り組んでいます。近年、日本は「大廃業時代」を迎え、約5万件が毎年廃業する中、6割が後継者不在での黒字廃業という統計が示すように、地域経済に与える影響は計り知れません。そこで、ライトライトは「relayインフィニティモデル」という新たなコンセプトを発表し、事業承継が地域に与える社会的インパクトを可視化しました。
relayインフィニティモデルとは?
このモデルは、事業承継の重要性を無限大記号で表現し、「事業承継のある街」と「事業承継のない街」という対比を通じて地域の未来を描き出しています。「事業承継のある街」では、経営資源を最大限に活用した事業承継が地域経済を循環させ、魅力ある地域づくりに寄与する可能性が示されています。一方、「事業承継のない街」では、シャッター通りが増加し、個性を失った画一的な地域となる危険性を警告しています。
事業承継がもたらす力
2024年5月に発行された「relay インパクトレポート 2024」によると、事業承継を経た後継者の67%が地域に移住する意向を示し、70%が売上が承継前と同等または増加したと回答しています。また、50%が地元で雇用を創出しました。これは、事業承継が地域社会の経済を循環させ、活性化することを示すデータです。
特に、事業承継によって得られる直接的な効果だけでなく、その周辺の一次波及効果や二次波及効果による経済成長も大きな要因となります。このような背景から、ライトライトは「地域に、光をあてる。」というミッションを掲げ、事業承継に対する新たな文化を育む意義を強調しています。
未来に向けた取り組み
ライトライトの代表取締役、齋藤隆太氏は、「事業承継は公で行うべき課題なのか?」という問いに応じて、このインフィニティモデルを描いた背景を説明しています。事業承継は特定の事業者の問題ではなく、地域全体で考えていくべき社会課題であると認識されています。全国約100ヶ所の自治体や商工団体と協力し、事業承継の取り組みを進めることで、地域の豊かさや個性が維持され、持続可能な社会を築いていくことが期待されています。
relay(リレイ)の特徴
relayは、これまでに約500件の後継者募集案件を公開し、80件以上の第三者承継マッチングを実現しています。また、オープンネームでのマッチングを行い、経営者の想いをストーリー化して共有することで、後継者との感情的なつながりを創出しています。
事業承継マッチングサイト「relay the local」は、地域の事業者と自治体・商工団体が協力し、廃業を減らすための活動を推進しています。現在、約90の自治体・商工団体と連携し、地域経済の復活に繋がるサポートを行っています。
まとめ
事業承継は、地域の未来に欠かせない要素です。地域の小規模事業者の持つ事業を次代へ引き継ぎ、地域経済を循環させることで、「relayインフィニティモデル」が目指す理想の地域社会が実現されることでしょう。これからも、事業承継への関心を高め、実際の取り組みを通じて一つでも多くの地域が支えられることを期待します。