廃太陽光パネルの再資源化
2025-10-06 12:02:39

芝浦工業大学とケー・エフ・シーが開発した廃太陽光パネルからのレアメタル回収技術

未来を見据えた技術革新



芝浦工業大学と株式会社ケー・エフ・シーは、廃太陽光パネルからレアメタルを回収する新たな手法を開発し、注目を集めています。この取り組みは、環境保護や資源の有効活用を目的としたもので、微生物を利用した画期的な技術です。

廃太陽光パネルの課題



太陽光パネルは2000年以降、急速に普及しましたが、その寿命が終わると大量の廃棄物となり、2030年以降にはその量が増加する見込みです。特に、CIGS系(銅・インジウム・ガリウム・セレンを含む)太陽光パネルには、セレンやカドミウム、ヒ素などの有害物質が含まれており、これらの廃棄が環境への悪影響をもたらす恐れがあります。このような背景から、廃棄物処理と資源回収の重要性が高まっています。

新技術の概要



新たに開発された技術では、セレン酸還元微生物であるStutzerimonas stutzeri NT-Iを使用して、廃太陽光パネルに含まれるセレンを浄化し、再資源化する手法が用いられます。この微生物は、セレン酸を無害な形に還元する性質を持っており、環境に配慮した方法でレアメタルを取り出すことが可能です。

研究チームは、セレンを含む廃太陽光パネルの化合物を溶解し、中和処理後にこの微生物と反応させることで、セレンを効果的に回収できることを確認しました。これにより、化合物系太陽電池からのレアメタル回収が実現したのは、世界で初めての試みです。

環境問題への貢献



本技術は、単なる廃棄物処理にとどまらず、貴重な資源としての価値を持つことが期待されています。経済的な側面だけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップとなるでしょう。再資源化が進むことで、廃棄物の最終処分や環境問題への対策が大幅に改善されると考えられています。

未来への展望



今後、芝浦工業大学とケー・エフ・シーはこの技術をラボスケールからベンチスケールへ、最終的にはプラントレベルにスケールアップすることを目指しています。さらに、循環型社会のデザインを進めることで、環境に優しい持続可能な社会の構築を目指します。

終わりに



環境意識の高まりとともに、廃棄物の管理や資源の有効活用がますます求められる時代です。この革新的な技術が実現する未来に、私たちがどのように貢献できるかを考える良い機会となるでしょう。芝浦工業大学とケー・エフ・シーの共同研究が生み出す新たな道は、限られた資源を有効に活用し、より良い地球環境の実現に寄与することを期待しています。

会社情報

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芝浦工業大学
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