昭和のスター・田宮二郎を再発見
神保町シアターで開催される特集上映『生誕90年 よみがえる田宮二郎 2025』が、2025年8月16日から9月5日までの期間限定で実施されます。この特集では、43歳という若さでその短い映画人生に幕を閉じた伝説の俳優・田宮二郎の魅力を再評価する絶好の機会です。
田宮二郎は、日本映画界において非常に特異な存在であり、彼の優雅な立ち姿とクールな演技は多くのファンに愛されています。彼を代表する作品には、名作ドラマ『白い巨塔』や、クイズ番組「クイズタイムショック」の司会者としての姿が挙げられますが、本特集では特に映画スターとしての田宮に焦点を当てます。特に、モデルから映画俳優へと転身した田宮のキャリアの始まりを知ることで、彼の多才さを感じることができるでしょう。
田宮の映画人生
1950年代から60年代にかけて、田宮二郎のキャリアは急速に進展しました。勝新太郎主演の『悪名』での相棒役が転機となり、以降は数多くの人気シリーズを作り上げました。彼の主演シリーズである「黒」シリーズや「犬」シリーズは、昭和を代表する作品群となり、彼自身も“昭和のクールガイ”として名を馳せました。
本特集上映では、田宮の代表作を網羅するだけでなく、未ソフト化であったり、映画配信サービスでは視聴できない貴重な作品も上映されます。これにより、当時の日本映画の魅力を幅広く楽しむことができるでしょう。
上映作品一覧
特集上映では次の11作品が上映されます。
- - 女の一生 (1962年): 監督:増村保造、共演:京マチ子
- - 夜の配当 (1963年): 監督:田中重雄、共演:藤由起子
- - 銭のとれる男 (1966年): 監督:村野鐵太郎、共演:江波杏子
- - 復讐の切り札 (1966年): 監督:瑞穂春海、共演:江波杏子
- - 宿無し犬 (1964年): 監督:田中徳三、共演:天知茂
- - 黒の切り札 (1964年): 監督:井上梅次、共演:宇津井健
- - 密告者 (1965年): 監督:田中重雄、共演:藤村志保
- - スパイ (1965年): 監督:山本薩夫、共演:小川真由美
- - 復讐の牙 (1965年): 監督:井上梅次、共演:小山明子
- - 脂のしたたり (1966年): 監督:田中徳三、共演:富士真奈美
- - 大悪党 (1968年): 監督:増村保造、共演:佐藤慶
これらの作品は日本映画の黄金期を代表するものであり、田宮二郎の多彩な演技を堪能できる貴重な機会です。
見逃せないイベント
特集上映に訪れる方々は、田宮二郎が味わうことのできる特別な空間に包まれることでしょう。神保町シアターはその名の通り「本の街」に佇み、映画と文学が融合する文化的な場所です。入場料金は一般1400円、シニア1200円、学生1000円と非常にリーズナブルです。なお、8月19日は設備点検のため休館となりますので、訪問の際はご注意ください。
この特集は、田宮ファンはもちろんのこと、映画ファンや昭和を懐かしむ皆様にとっても見逃せないイベントです。ぜひ、神保町シアターで田宮二郎が銀幕に蘇る姿をご堪能ください。