デジタル農業の未来
2021-07-01 09:00:06

デジタル農業が変える農作業の未来—ルートレック・ネットワークスの資金調達

デジタル農業がもたらす新たな挑戦



近年、農業界ではデジタル技術の導入が進み、特に中小規模の生産者にとっての効率化が求められています。そんな中、ルートレック・ネットワークスが新たに3.8億円の資金調達を実施し、AIを活用した潅水施肥システム「ゼロアグリ」を展開することに注目が集まっています。

ゼロアグリとは?



ゼロアグリは、特にアジアモンスーン地域における家族経営の中小農家をターゲットにした、パイプハウスで使用可能なAIシステムです。このシステムは、日射量や土壌水分、EC値などの環境データを収集し、AIが作物にとっての最適な潅水量と施肥量を自動で算出します。これにより、生産者は施肥や潅水にかかる時間を大幅に削減できるのです。

さらに、AIの導入により土壌の水分が安定することで、作物へのストレスが軽減され、結果として収穫量の増加と品質向上を実現。また、イスラエルの先端技術である点滴潅水による局所施肥を採用し、水と肥料の使用を最小限に抑えることで、環境への負担を軽減します。

資金調達の背後にある狙い



今回の資金調達は、これまでの地域ごとの実績を踏まえ、本格的な社会実装を進めるために行われました。特に、クボタとの提携により、全国に広がる販売網を活用して潅水施肥作業の自動化を進め、施設園芸のスマート化を目指しています。

また、戸田建設との協力のもと、茨城県の戸田農房での高設イチゴ栽培技術の確立に向けた研究開発も進めており、周年栽培が可能なイチゴ栽培技術の普及に寄与します。

海外展開と持続可能な農業



ゼロアグリは、既存のパイプハウスの構造や設備に依存せずに導入できるため、アジアモンスーン地域で広がっている廉価なパイプハウスでも適用可能な強みがあります。今回の増資を通じて、海外展開も視野に入れた取り組みを行い、さらなる農業のデジタル化と環境保全の実現を目指しています。

ルートレック・ネットワークスの歴史



ルートレック・ネットワークスは、2005年の設立以来M2M/IoT技術を基盤にしてきました。2010年に総務省のICTを活用した事業に参加し、明治大学との共同研究を経てスマート農業に参入しました。2013年からはゼロアグリの提供を開始し、すでに290台以上が全国の農家や試験場に導入されています。2018年には、日本ベンチャー大賞において農業ベンチャー賞を受賞し、経済産業省からもJ-Startup企業に選出されました。

このようにルートレック・ネットワークスは、技術革新と持続可能な農業を追求し、多くの生産者に利益をもたらすことを目指しています。農業の未来を担う彼らの取り組みから、目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社ルートレック・ネットワークス
住所
神奈川県川崎市高津区久本3-5-7新溝ノ口ビル1F
電話番号

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