観光業と農業の新たなコラボレーション
新型コロナウイルスの影響を受ける中、観光業界と農業分野が手を組み、新たな雇用創出に取り組んでいます。この取り組みは、観光業で働く若者に新たなチャンスを与えるだけでなく、農業における重要な労働力を確保することを目的としています。
現在の農業の課題
農業分野では人手不足が深刻化しており、特に外国人実習生の受け入れが難しい状況が続いています。2020年からの新型コロナウイルスの影響により、日本への外国人労働者の流入が大幅に減少しており、2021年春から夏の収穫シーズンにおいても、必要な労働力が確保できない見込みとなっています。これに対して、農林水産省の調査結果によれば、農業における外国人実習生は17年に比べて急激に増加しているものの、現在の状況ではその持続が危うくなっています。
シェアグリとダイブの提携
この問題を解決するために、農業人材シェアリングサービスを提供する「シェアグリ」と、観光業に特化したリゾート人材サービスを展開する「ダイブ」が業務提携を結びました。シェアグリは2018年から農業体験に関心があるユーザーと農家を繋ぎ、2020年からは特定技能外国人人材の派遣事業も開始しています。一方、ダイブは観光施設への人材紹介を通じて、年間約1万人の人をサポートしてきました。この両社の提携により、ダイブが持つ観光業のスタッフをシェアグリに紹介し、農業の労働力不足を補うことで、若者の雇用機会を拡大します。
業界を超えた雇用の未来
新型コロナウイルスが収束した後、観光業は持続的な雇用が必要不可欠となります。観光業と農業という異なる業界が連携することで、新たな人材の流動性を生み出し、雇用の安定性を向上させることが期待されます。この提携を通じて、業界横断的に人材の問題を解決し、有効な雇用支援が可能になるでしょう。
シェアグリとダイブの会社概要
株式会社シェアグリ
- - 所在地: 東京都千代田区平河町2-5-3
- - 代表取締役: 井出 飛悠人
- - 事業内容: 農業人材のシェアリングサービス
株式会社ダイブ
- - 所在地: 東京都新宿区新宿3-1-13 京王新宿追分ビル9F
- - 代表取締役: 庄子 潔
- - 事業内容: 人材派遣事業、アウトソーシング事業
この新たな取り組みを通じて、雇用機会が広がり、農業の生産性が向上することが期待されています。観光業と農業の協力体制が、これからの日本の雇用市場に新たな息吹をもたらすかもしれません。