スーパーデリバリーの価格動向レポート2025年
株式会社ラクーンコマースが運営する卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」は、2025年1月から3月にかけての商品仕入れ価格の動向をまとめた「仕入れ価格動向レポート」を公表しました。このレポートでは、価格の上昇・横ばい・低下と幅広く分類された結果が示されており、特に「米」の価格が前年比で110%の異常な高騰を見せています。
背景と目的
「スーパーデリバリー」は、国内メーカーと小売業者、サービス業者同士の取引を仲介するプラットフォームで、日本国内に加えて、海外134カ国への卸販売を行っています。アパレルや雑貨、家具、生活家電、食品など、約186万点の商品が取り扱われています。近年、原材料やエネルギーのコスト上昇、円安といった影響で商品価格が上昇しており、仕入れを行う事業者には大きな経営課題となっています。
この厳しい経済環境の中、ラクーンコマースは仕入れ価格の動向をカテゴリごとに整理し、事業者に対して参考となる情報を提供することを目的としたとされています。
仕入れ価格の動向
2025年のデータによると、全体の仕入れ価格は2019年比で引き続き高水準にありますが、前期比や前年同期比ではカテゴリごとに異なる動きがあり、価格動向は明らかな二極化が見られます。いくつかの重要なカテゴリの仕入れ価格指数を以下に示します。
- - 米: 270.2(2019年比+170.2%、前年同期比+110%)
- - ベビーウェア・小物: 200.8(2019年比+100.8%、前年同期比+10.3%)
- - 防災用品: 167.7(2019年比+67.7%、前年同期比-12.0%)
- - 文具・事務用品: 142.1(2019年比+42.1%、前年同期比+1.4%)
- - ホビー: 137.2(2019年比+37.2%、前年同期比-2.2%)
カテゴリごとの動向
- - 上昇したカテゴリ: 価格が上昇したカテゴリには、文具・事務用品があり、年度末や新年度に伴う需要の影響が考えられます。また、ベビー関連の商品も上昇しています。
- - 低下したカテゴリ: 一方で、キャンプ用品やDIY関連は価格が低下し、コロナ禍からの反動と見られています。
- - 安定したカテゴリ: 食器類や化粧品は比較的安定した価格を維持しており、大きな変動は見られません。
まとめ
2025年1月から3月にかけての価格動向は、依然として2019年に比べた場合のコスト上昇が続いていますが、前期や前年同月と比較すると、横ばいや低下傾向も見られました。これは事業者にとって、柔軟な価格戦略が求められることを示しています。
価格が上昇しているカテゴリにおいては、顧客への価格転嫁や付加価値の提供、仕入れ先の選定におけるリスク分散が重要になります。一方で、価格が安定または低下しているカテゴリに関しては、差別化や販促の強化が求められます。こうした市場の変化を日々キャッチし、迅速な意思決定を行うことがビジネスの鍵となるでしょう。
ラクーンコマースは引き続き、仕入れ価格指数の観測を続け、今後もデータに基づく経営判断を支援するための情報提供を行うことを約束しています。