松本市が進める生理用品の設置プロジェクト
長野県の松本市では、女性が抱える生理に伴う身体的および精神的な負担を軽減し、男女に関わらないジェンダー平等社会を実現するための新たな取り組みが始まりました。2023年3月8日、国際女性デーに合わせて、市内177の公共施設に生理用品が無償で寄付されました。これは、トイレットペーパーのように生理用品も当たり前に手に入る時代を作るための第一歩です。
実施内容
松本市内の392ヶ所のトイレに設置された生理用品は、公共の場において必要なたびに利用できるようになっています。また、設置されたトイレには生理用品があることを知らせるマークが貼られ、利用者が視覚的に確認できるよう工夫されています。
この取り組みを実施する背景には、女性の生理に関する理解と、社会全体での負担軽減を図るという強い意志があるのです。今回のプロジェクトは、松本市の公式ホームページでも詳しく案内されています。
他の地域での取り組み
松本市だけでなく、長野県内では松本山雅FCのホームスタジアム「サンプロ アルウィン」や、安曇野市、池田町などでも生理用品の設置が進められています。特に松本山雅FCスタジアムでは、女子トイレや多目的トイレに生理用品が設置されており、2022年には「スタジアムトイレに生理用品を設置する取り組み」がJリーグの「パブリック賞」を受賞しています。このような取り組みが評価されることで、より多くの場所で同様のプロジェクトが広がることが期待されています。
レッドボックスジャパンについて
レッドボックスジャパンは、2017年にイギリスで始まった社会活動「Red Box Project」を元に、2019年に日本で設立されました。このプロジェクトは、生理用品を必要とする学生を支援するため、学校や教育機関へ生理用品を寄付することを目的としています。2023年3月時点で、すでに日本全国の500以上の学校にレッドボックスが導入されています。
彼らのビジョンは、「生理用品を全ての人が利用できることを当たり前にし、生理についての理解を深めること」です。生理に対する偏見をなくし、周囲と共に考えていく場を提供しています。
レッドボックスジャパンのミッション
レッドボックスジャパンの取り組みの根底には、次のようなミッションがあります。
- - 生理用品の寄付を通じて、生理中の学生の学びや通学を支援します。
- - 自分と他者の身体を大切にする考え方から、持続可能な社会の実現に向けたケアの重要性を伝えます。
- - 女性が活躍できる社会を目指し、総合的な能力を持った人材の育成をサポートします。
松本市のこの取り組みは、地域全体で支え合い、理解を深めるための重要な一歩と言えるでしょう。生理用品の設置を一つの良い形として、他の地域でも広がりを見せ、さらなるジェンダー平等への道を拓いていくことが期待されています。