TVer広告2024年度の動向
株式会社TVer(東京都港区)は、2024年度における「TVer広告」の実績を分析したレポート「数字で見るTVer広告」を発表しました。このレポートは、広告主や広告会社の数、クリエイティブの傾向、広告の効果など、多岐にわたるデータを提供しています。近年、その成長と活用法が進化を遂げているTVer広告について詳しく見ていきましょう。
広告出稿企業の急増
2024年度には、651社もの広告会社がTVer広告を利用し、広告主はなんと2,138社に達しました。前年比で見ると、特に2023年に導入されたセルフサーブ機能が利用されるようになり、広告出稿が容易になったことが要因とされています。この機能のおかげで、様々な企業がより柔軟に広告を出稿できるようになったのです。
15秒広告が主流
TVer広告では、一連の動画広告を6秒から60秒まで自由に設定することができますが、2024年度に出稿された広告の約52%は15秒(11秒〜22秒)の内容となっています。また、30秒(23秒〜37秒)も43%を占めており、地上波テレビと同様の長さの広告が多く見受けられます。このことから、TVer広告は視聴者に馴染みやすいフォーマットを持ち、短時間でメッセージを浸透させることができる環境を整えていると言えるでしょう。
多種多様な業種からの出稿
2024年度には、なんと32業種から広告が出稿されました。一般消費者向けの食品や家庭用品はもちろん、卸売業のような企業向けの広告まで幅広い出稿がありました。特に、官公庁や団体など公共性の高い業界からも多くの出稿があり、TVer広告はそのターゲティング能力や信頼性から選ばれる傾向にあります。
リフトアップ効果の実証
TVer広告の影響力は、視聴者の行動や意識の変化に表れています。広告接触回数が1〜4回または5回以上の際、いずれもリフト値が100%を超えているという結果が得られました。これは、ユーザーが広告をスキップせずに視聴していること、そしてその視聴完了率が9割を超えることが影響していると考えられます。
MUB数も順調に増加
TVerは2024年度に入ってもその利用状況を着実に拡大しています。2024年7月には月間ユーザー数が4,000万を上回り、続く2025年1月には4,120万に達しました。さらに、配信番組数も3,700本を超えており、提供するコンテンツの豊富さが魅力の一つとなっています。
今後の展望
TVerは今後もさらなる成長を目指し、パートナー企業と連携しながら、利用者にとって安心で使いやすい広告プロダクトの開発に努めていく方針です。TVerの提供する新しい広告体験は、今後も多くの視聴者と企業にとって価値のあるものとなるでしょう。
2020年に設立されたTVerは、ストリーミング市場における重要なプレイヤーとしてその地位を確立しています。これからも、テレビの活用方法が変わる中で重要な役割を果たし続けることが期待されています。新しい広告戦略がどのように実を結んでいくのか、今後も注目していきたいと思います。