丹後ちりめんの創造
2021-03-02 13:00:04

丹後ちりめんの新しい可能性を探るTANGO CREATION PLATFORMの試み

丹後ちりめんの新しい可能性を探るTANGO CREATION PLATFORMの試み



日本の伝統織物「丹後ちりめん」をテーマにしたプロジェクト「TANGO CREATION PLATFORM」は、丹後地方の魅力を広く社会に発信しています。このプロジェクトは2019年に始まり、地域の質の高い織物技術を基盤に、日本国内外のクリエイターと密接に連携して新しいデザインを生み出しています。特に注目すべきは、伝統と現代デザインの融合によって生み出される作品群で、その独自性から国内外で高く評価されています。

プロジェクトの主旨は、丹後ちりめんの可能性を探ることで、新たな価値を創造することです。丹後地方は1300年以上にわたり絹織物を手掛けてきましたが、その中でも特に「丹後ちりめん」の誕生は300年前にさかのぼります。この生地は、撚りがかけられた生糸を使用し、独特の凹凸が生み出されることで特徴的な風合いを持っています。日本の伝統的なきもの文化を支える重要な存在として、丹後ちりめんは今でも多くの人々に愛されています。

しかし、2020年にはCOVID-19の影響から、プロジェクトの実施が難航しました。その際、関係者はオンラインを駆使した新しいアプローチを試み、ビデオ会議やオンライン観光を通じて丹後の魅力を発信しました。物理的な距離はあっても、デザイナーたちが丹後の文化や技術に触れ、それを作品に反映することができたのです。

今回のTANGO CREATION PLATFORMでは、様々な背景を持つデザイナーたちが参加しました。彼らは地域の伝統を尊重しつつ、現代的なデザイン手法を取り入れることで、新たなテキスタイルを生み出しています。例えば、デザイナーである中尾隆志氏は、和柄を避けつつも伝統的な技術とヨーロッパのタータンチェックを融合させた商品を発表しました。このアプローチは、年齢や性別を超えて多くの人々に親しまれるスタイルを目指しています。

また、フランスのデザイナー、マチルダ・ロザンヌ・ブレジオン氏は、丹後の背景に依存したデザインを追求しました。彼女は漁網の模様を取り入れ、丹後の自然や伝統的な技術との繋がりを視覚化した作品を発表しました。これにより、丹後ちりめんが持つ美的感覚が新しい形で表現されました。

さらに、オロール・ティブー氏は中世の小型バッグ「alms purse」をモチーフにしたバッグを制作し、丹後の職人技術を活かした日常使いできる商品を展開しました。彼女の作品は、天然繊維の美しさを強調しつつ、現代的な利便性を兼ね備えています。

このように、TANGO CREATION PLATFORMは丹後ちりめんの継続的な革新を可能にしています。参加したデザイナーたちは、従来の枠を超えて、新たな表現を生み出すことで、伝統工芸の未来を切り開いています。

プロジェクトの宣伝活動も活発に行われており、2021年にはパリのギャラリーで展示会が開催され、その品質と魅力が広く認知されました。多くの訪問者が丹後ちりめんの特異性に触れ、興味を持つ結果となりました。

「TANGO CREATION PLATFORM」は今後も、丹後の文化を世界に発信し続け、さまざまなクリエイティブな交流を育んでいくでしょう。それにより、丹後ちりめんが持つ新たな可能性が、さらに広がることが期待されます。これからの展開に目が離せません。

会社情報

会社名
丹後織物工業組合
住所
京都府京丹後市大宮町河辺3188番地
電話番号

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