AIとがん医療の進化
2025-10-01 17:09:17

AIの力で進化するがん医療:新たな問診生成と看護サポートの実用化

AIが支えるがん医療の未来



国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター、日本アイ・ビー・エム株式会社が共同で進める「AI創薬プラットフォーム事業」では、新たな医療ソリューションとして「問診生成AI」と「看護音声入力生成AI」の実運用が始まった。この技術は、患者と医療従事者のコミュニケーションをより円滑にし、がん治療の質を向上させることを目的としている。

問診生成AIの導入背景と期待



がん治療は年々進化を遂げており、その結果、患者の生存率も向上している。しかし、薬物治療を受ける患者にとって、毎回自宅で体調を手書きで記録し、再度医療従事者からの質問に答えることは非常に負担が大きい。この負担を軽減するために、「問診生成AI」が開発された。

このAIソリューションは、患者がスマートフォンやPCを利用して、AIアバターとのチャット形式で体調を入力できるように設計されている。音声入力にも対応し、手が不自由な患者でも負担なく情報を提供できる。さらに、患者からの情報は自動で電子カルテに連携され、医療従事者は必要な情報を簡単に参照できるようになる。これにより、従来の対面施策に比べ、最大25%の診察時間短縮が期待されている。

看護現場の負担軽減を目指す



がん医療の現場では、看護業務も増加しており、看護師は勤務時間の約20%を記録に費やしている。このデータ入力の煩雑さを解消するために、「看護音声入力生成AI」が導入された。この技術により、看護カンファレンスや電話サポート中に、会話内容を自動的に記録し、カルテに反映させることが可能になる。

初期の検証結果によると、本AIを使用することで記録作業は従来よりも約40%の時間短縮が図れるほか、記録の正確性と一貫性においても改善が見込まれている。看護師が患者ケアやチーム連携の時間を確保できるようになれば、より質の高い医療提供が期待できる。

今後の展望



この取り組みは、がん治療の進化を背景にさまざまな業務の効率化を狙ったものであり、今後もさらなる改良を進めていく計画が示されている。2025年には新たに3つの生成AIシステムが展開予定で、さらなる医療の質向上に寄与することを目指している。

AI技術を医療現場に導入することは、リスクを理解しながら進める必要があるが、医薬基盤・健康・栄養研究所、大阪国際がんセンター、日本IBMの3者は、患者や医療関係者にとってのより良いサービスを目指し、安全で信頼性のある運用体制を構築する意向だ。

この革新的な取り組みが、患者と医療従事者双方にとって、質の高い医療体験を提供することに繋がる事を期待したい。


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会社情報

会社名
日本アイ・ビー・エム株式会社
住所
東京都港区虎ノ門二丁目6番1号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
電話番号
03-6667-1111

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