生き物供養碑調査プロジェクトが滋賀県で始まる
滋賀県は美しい琵琶湖に囲まれ、自然豊かな地域です。その地には、多様な生き物を供養するための石碑が建てられており、地域の人々の感謝や哀悼の気持ちが込められています。今回は、滋賀県で行われる「生き物供養碑」の調査プロジェクトについてご紹介します。
生き物供養碑の重要性と歴史的背景
日本では江戸時代から、家畜、魚類、さらには虫に至るまで、多くの身近な生き物の死を悼んで供養のための石碑を建立してきました。この文化は世界的に見てもユニークで、全国各地に合計1,141基もの供養碑が存在すると言われています。特に滋賀県内では約50基もの生き物供養碑が確認されています。
具体的には、醒井養鱒場にある「小鮎塚」は、小鮎の霊を慰めるために造られたものです。この碑は、将来の小鮎族の繁栄と日本の水産資源の活用も祈願されています。
また、地元の寺院には農耕に使われた牛や馬を供養するための碑が多く見られ、地域住民にとって大切な存在です。
フィールドレポーター制度と新たな調査
滋賀県の琵琶湖博物館では、「地域学芸員」に相当するフィールドレポーター制度を導入しています。この制度では、地域の自然や生活に密着した調査が行われており、2024年度には210名の登録者数がいるとのこと。今回は、令和6年度のフィールドレポーター活動の一環として、生き物供養碑の調査が行われることになりました。
この調査の目的は、現在知られている碑の詳細や成り立ちを解明することに加え、まだ世に知られていない供養碑の存在を発見することです。さらに、碑文の内容や意義についても深く掘り下げ、地域の文化を学ぶことを目指しています。
参加と情報提供のお願い
調査は2024年10月19日から2025年1月31日まで行われます。地域の皆さんには、私たちの調査に協力していただきたいと思います。「ここには供養碑がある」とか、「これは生き物の供養碑だと聞いた」という情報があれば、ぜひお寄せください。小さな情報でも大変貴重です。
琵琶湖博物館では、調査内容や進行状況に関する情報を公式ホームページで公開していますので、ぜひご参照ください。問い合わせ先には、博物館のフィールドレポーター係があります。連絡先は077-568-4811、メールアドレスは
[email protected]です。
さらなるイベントについて
調査に関する詳細は、びわ博フェス2024(2024年11月17日)においてフィールドレポータースタッフが説明します。さらに、同日に行われる「ひかり拓本」の紹介も見逃せません。興味のある方はぜひ参加してみてください。
生き物供養碑の調査を通じて、滋賀県の豊かな文化とその背景にある人々の思いを再発見していきたいと思います。