全国の再生可能エネルギーをサポートする新たな一歩
株式会社UPDATERが、再生可能エネルギーの質を向上させるための新しい制度「優良発電所支援スキーム」を導入することを発表しました。このスキームは2025年11月1日より開始され、みんな電力の名の下に地域と自然に優しい発電所を経済的に支援していく試みです。
背景と目指す未来
近年、再生可能エネルギーの需要は増加していますが、その一方で大規模な開発に伴う地域との摩擦や環境への影響も懸念されています。大規模なメガソーラー発電所の設置による森林伐採や地域の景観問題は、再エネ全体の信頼を損なう要因となっています。そのため、UPDATERは「顔の見える電力」という理念のもと、地域や自然と共生する発電所を選別し、支援に乗り出しました。
新制度「優良発電所支援スキーム」の詳細
このスキームでは、選ばれた発電所の買電単価に1kWhあたり1円を上乗せし、その収益を地域還元活動や発電所の運営費用に充てる仕組みです。例えば、発電容量100kWのソーラー発電所の場合、年間で最大約10万円の支援を受けることが可能です。導入当初は全国7カ所の発電所からスタートし、随時その対象を増やす計画です。
支援対象とその特徴
初めに選ばれた発電所は、いずれも地域との共生を目指す営農型のソーラー発電所です。それぞれの発電所が地域の特性を活かし、農業との共存を図る取り組みを行っています。
1.
かなごてソーラー桑原発電所(神奈川県小田原市)
- 水田を利用した営農型発電所で、地域イベントへの参加や、見学を通じた地域との交流を活発に行っています。
2.
五下原発電所(福島県福島市)
- 有機農業で生産した大豆を活用し、売電収益を地域支援に回し、停電時には住民向けの充電場所を提供しています。
3.
みんエネ22号機(千葉県匝瑳市)
- 漁業・有機農業に優先的に取り組み、地域還元活動にも積極的に参加し、受賞歴も持つことから地域の信頼を深めています。
4.
ブルーベリーパークぴぽぱ(福島県南相馬市)
- 津波被災地で新たにブルーベリー農園を設置し、観光や教育による地域再生に努めています。
5.
山辺沢ソーラーシェアリング発電所(福島県飯舘村)
- 被災地でのサステナブルな発信を目的として、発電と営農を融合した活動を行っています。
6.
回転直立式ソーラーシェアリング(福島県二本松市)
- 環境教育や農業に対する新しい取り組みを模索し、地域協議会が主導しています。
7.
坪口農事太陽光発電所(兵庫県豊岡市)
- 自然と共生する農法を実践し、支持を受けながら地域活性化を図っています。
環境と社会に配慮した取り組み
UPDATERは、2024年12月に電力調達ポリシーを改定し、持続可能性や環境負荷を考慮した発電所の選定を厳格化する方針も示しています。このような動きは、発電事業者が持つ社会的責任を果たし、地域に根ざした事業を育む道筋を作ることでしょう。
未来への展望
今後、UPDATERでは、制度の対象を拡充し続け、2028年度までに全国で10カ所以上の「ネイチャーフレンドリーな発電所」を創り出す「共生する再エネプロジェクト10」を推進していく予定です。「安さの競争から質の競争へ」という理念の下、質の高い再エネ市場の実現に貢献します。
私たちは、発電事業者、需要家、地域が持続的に関わるエネルギー構造の構築を目指し、制度設計と市場開発の両面から挑み続ける意義をここに見出しています。
最後に
UPDATERの新しい取り組みは、単なる電力供給を超え、地域貢献と持続可能性を深く考慮したエネルギー供給モデルの確立を目指しています。これにより、地域との共生が進み、より良い未来への道筋が築かれることを期待します。