農業専門の人材サービス「やさいジョブ」が業務開始！持続可能な農産業を支える新たな試み

農業専門の人材サービス「やさいジョブ」が本格始動

2024年9月、株式会社農業総合研究所が完全出資した「やさいジョブ株式会社」が、農産業専門の人材サービスを本格的に開始しました。「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」というビジョンのもと、都市部のスーパーマーケットなどで「農家の直売所」を運営する当社の新たな試みです。

農業業界の人手不足

農業の現場では、労働力不足が深刻な問題となっています。特に、経験のない求職者の採用や定着に関する課題は大きく、農業の持続可能性を脅かす要因となっています。やさいジョブは、求人を希望する求職者と、労働者を求める生産者や企業の橋渡しをするだけでなく、採用後の支援も行うことが最大の特徴です。農産業の生産現場から加工・流通、小売に至るまで幅広い業種に対応しています。

独自の定着支援施策

特に注目すべきは、正式雇用の前に実施される「お試し勤務」です。これは、求職者が実際に働くことで自身の能力や適性を確認できる機会を提供するものです。農業は、持つイメージと実際の働き方との間にギャップが生じやすく、これによって離職するケースも少なくありません。このトライアル制度により、求職者と企業双方がマッチングの精度を上げることが可能になります。このような取り組みを通じて、早期の離職を防げると期待されています。

また、就業後も国家資格保持者のキャリアコンサルタントが定期的に面談を実施し、成長を見守るほか、育成プランや企業側の受入れ体制整備の支援も行います。

登録者数と企業の期待

現在、やさいジョブには約300名の求職者が登録しており、20社以上の生産者や企業が導入しています。特に、事業の拡大や後継者確保を目指す企業からのニーズが高まっているのが特徴です。求職者の中でも40代が中心で、20代から60代まで幅広い層が登録しています。都市部から地方への移住を希望し、農業に長期的に携わりたいという意欲のある人材が増加しています。

一方で、企業側も単なる人手確保ではなく、ビジネスの成長を支える人材を求める傾向が強まっています。やさいジョブは、求職者と企業の双方が求める人材の特性を見極めるため、丁寧な面談を行っています。このように、企業と求職者の相性を重視し、最適なマッチングを実現することが目指されています。