アストラゼネカと京都大学が医薬品安全対策で共同研究契約を締結
アストラゼネカ株式会社は、京都大学との共同研究契約を締結し、医療用医薬品の市場後安全性を高めるための疫学研究を行うことが発表されました。この契約は2024年11月1日から2027年10月31日までの期間で実施され、リアルワールドデータ(RWD)の活用を中心とした研究が展開されます。
アストラゼネカは、この共同研究を通じて、同社が製造・販売する医療用医薬品の安全性を独自の薬剤疫学手法を駆使して調査します。今回の研究は、患者に加え医療従事者の負担軽減にも寄与することが期待されており、効率的な調査計画が策定される見込みです。 RWDの重要性は近年高まっており、厚生労働省が進める薬事規制の見直しでもその利用が推奨されています。
京都大学の薬剤疫学分野は、国立大学の中で唯一、薬剤疫学を専門とする正規の講座です。この講座では、臨床疫学や薬剤疫学に関する幅広い研究が行われており、医療情報データベースを活用した大規模な調査の実施が期待されています。研究内容は治療効果や副作用の評価から医療経済研究、政策立案に至るまで多岐にわたっています。
アストラゼネカの取締役、研究開発本部長の大津 智子は、この共同研究が患者への治療薬提供における重要なステップであると強調し、「サイエンスに基づいた医薬品開発を進めることで、患者の人生に寄り添い、より良い治療効果をもたらすことを目指します」と語りました。
一方、京都大学大学院医学研究科の川上 浩司教授も、アストラゼネカとの共同研究に期待を寄せており、グローバルに通用する医薬品評価体制の確立に向けて、共に力を合わせて成果を出していく意向を示しています。
本共同研究は、アストラゼネカの豊富な医薬品ラインナップと京都大学の疫学研究技術を結び付けることで、医療現場における実効性のあるデータ収集や効果的な安全対策の実施を実現し、信頼性のある医薬品の提供に繋がるでしょう。さらに、医薬品の安全性をリードする人材の育成も重要なテーマとして取り上げられています。
このように、アストラゼネカと京都大学の連携は、医薬品業界に新たな風を吹き込むだけでなく、膨大なデータの中から実臨床に基づいた医学的な知見を引き出す機会を提供することとなります。両者の共同研究がもたらす成果が期待される中、日本の医療の発展に貢献する確かな一歩といえるでしょう。
会社情報
- 会社名
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アストラゼネカ株式会社
- 住所
- 大阪府大阪市北区大深町3番1号グランフロント大阪タワーB
- 電話番号
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06-4802-3600