共同研究の発表
アンジェス株式会社と東京大学医学部発のAIスタートアップ、OptimAIze Consulting株式会社は、医薬品「ゾキンヴィ」の新たな適応疾患を探るための共同研究契約を締結しました。この取り組みは、AI技術を用いて既存医薬品の可能性を広げることを目指しています。
1. 共同研究の背景
ドラッグリポジショニングへの関心
近年、新薬の開発には膨大なコストがかかることから、既存の医薬品を新たな疾患に適応させる「ドラッグリポジショニング」が注目されています。この方法では、安全性が確保された医薬品を再利用するため、開発コストを大幅に削減し、短期間で新たな治療法を提供できる可能性があります。現在、希少疾患市場は急成長中であり、2030年までには市場規模が約4,000億ドルに達すると予測されています。
2. ゾキンヴィの特性
ゾキンヴィは、米国のEiger BioPharmaceuticalsが開発した早老症の治療薬で、すでに日本市場での製造販売承認を取得しています。この医薬品は、希少疾患に対する安全性と有効性が確認されているため、リポジショニング研究の基盤として非常に有望です。
3. OptimAIzeの技術
OptimAIzeは、東京大学の医師やAI専門家で構成されたチームが設立した企業で、医療データベースの解析や文献のマイニング、分子シミュレーションを活用する独自のAI解析手法を持っています。これにより、医薬品と疾患の新たな関連性を明らかにすることが可能です。
4. 共同研究の目的
本研究では、AI解析によって特定された8つの希少疾患候補について詳細な検証を行い、適応症の拡大を目指します。アンジェスは臨床的な評価を行い、研究の進行をすることで、希少疾患領域の治療選択肢を増やすことを期待しています。
5. 期待される成果
この共同研究を通じて、希少疾患や難治性疾患に対して新しい治療法が提供できるようになることを目指しています。また、AIが医薬品開発の初期段階から関与することで、より迅速で効率的な医療サービスの提供にもつながるでしょう。
6. 両社のコメント
アンジェスの代表取締役社長、山田英氏は、AIを活用した新たな適応症の探索が重要な一歩であると述べています。OptimAIzeの代表取締役、関戸隆氏も、この取り組みが医療資源を最適化し、多くの患者にとっての新たな希望となることを期待しています。
7. 会社概要
アンジェス株式会社は、バイオ医薬品の研究開発に特化しており、革新的な治療法を通じて医療に貢献することを目指しています。
OptimAIze Consulting株式会社は、医療分野でのAI技術を活用し、地域医療の向上を目指すスタートアップです。
8. お問い合わせ先