名城大学の革新技術
2025-02-17 18:38:24
名城大学が実現した次世代全固体Liイオン電池の技術革新
名城大学が進める次世代全固体Liイオン電池の研究
名城大学の総合研究所に所属する内田儀一郎教授、池邉由美子准教授、及び大学院生たちが手掛けた最新の研究が、次世代の全固体Liイオン電池に革命をもたらそうとしています。彼らは、プラズマプロセスを活用して、半導体ゲルマニウム(Ge)とリチウムイオン伝導性の固体電解質であるLiAlGePOを組み合わせた新しい負極材料を開発しました。この新しい負極は、なんと従来のLiイオン電池に比べて約3倍の容量、すなわち1000 mAh/g以上を、劣化することなく駆動することが可能です。
研究の背景
Liイオン電池の小型化と軽量化を実現するためには、Liイオンを大量に収容できる高容量の負極材料が不可欠です。ゲルマニウムは、理論容量が1600 mAh/gにも達するため、高容量負極として注目されています。しかし、Liを取り込む際に合金化が起こり、その体積が膨張する特性から、充放電を繰り返すことで亀裂や剥離が発生し、容量が急激に低下する問題がありました。従来の材料ではこれらの課題を克服することは困難でしたが、本研究では新たなアプローチを用いることで解決を試みました。
研究内容と成果の意義
研究チームは、まず非結晶ゲルマニウムとLiAlGePOを利用した新しい複合材料を開発し、この材料をバインダーなしのプラズマプロセスで作製しました。具体的には、
1. Ge層をLiAlGePOでカバーした構造
2. GeとLiAlGePOを混合した構造
以上の二つの構造を考案し、テストを行いました。その結果、どちらの構造でも799 mAh/gおよび1074 mAh/gといった高容量を300サイクル以上劣化なく発揮することに成功しました。これは、負極に使用した導電体がGeの亀裂を機械的に抑制し、かつ電解液との良好な界面を形成することで、化学的な劣化も防ぐ可能性が示されたからだと考えられています。
この新しいGe複合負極は、全固体Liイオン電池の開発にも展開されている最中であり、その実現が期待されています。この研究成果は、2025年2月17日付で、米国の学術誌『Advanced Materials Technologies』に掲載されることが決定しています。
結論
名城大学は、有名なLiイオン電池の発明者である吉野彰終身教授のもと、先端的なバッテリー技術の研究を進めています。今回の成果は、持続可能なエネルギーシステムを支える次世代バッテリーの実現に向けた重要なステップとなるでしょう。これからも名城大学の研究活動に注目していただきたいです。
会社情報
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学校法人 名城大学
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