長距離データ同期技術
2024-12-05 14:51:12

日立とNTT Comが実現した世界初の長距離データ同期技術

日立とNTT Comが実現した世界初の長距離データ同期技術



はじめに


近年、激甚な自然災害が多発し、その影響でビジネス継続性の確保がますます重要視されています。そんな中、株式会社日立製作所(以下、日立)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の協力によって、600kmを超える距離でリアルタイムデータ同期を行う技術の実証が成功しました。この取り組みは、ミッションクリティカルな業務を支える企業にとって、特に注目されるものとなっています。

共同実証の背景


日立は、日立ヴァンタラ株式会社の「Hitachi Virtual Storage Platform One Block」を使用し、NTT ComはIOWN APN技術を活用しました。IOWN(Innovative Optical Wireless Network)は、通信の未来を変えるための革新的な戦略であり、NTTが2030年に向けた新しい通信基盤を目指しています。

この両社の技術が組み合わさることで、離れたデータセンター間でのデータ管理がシームレスに行えるようになり、災害時における業務継続性の担保ができるようになりました。特に、金融やインフラ業種に依存する企業にとって、この技術は大きな利点となります。

実証実験の詳細


実証実験では、2つの主要な検証プログラムが行われました。まず1つ目の検証では、日立のストレージ仮想化技術を用いて、東京と大阪の間、約600kmの間でデータの往復応答時間がどのように変わるかをテストしました。その結果、応答時間が日立が推奨する20ミリ秒を大幅に下回ることが確認されました。この実績は、長距離でもデータを常に同期させることができる実用性があることを示しています。

2つ目の検証では、災害が発生した際のシステム復旧時間をテストしました。メインサイトでの障害発生後、サブサイトにスムーズに切り替えができることを確認し、データ損失がない状態で業務を続行することが可能であると証明されました。

今後の展望


今後、日立とNTT Comは、これらの技術を利用して次世代のITインフラを構築することを目指しています。特に金融機関や社会インフラ事業者向けに、長距離データの常時同期を提供することで、運用コストや電力消費の削減にも貢献することが期待されています。

また、分散型データセンターを実現することで、地球環境への負荷軽減にも寄与することができるでしょう。

まとめ


日立とNTT Comが実施したこの共同実証は、企業の業務継続性を高めるための新たなステージに入ったと言えるでしょう。今後も両社の取り組みから目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号

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