建設業界の革新を目指す「SXシリーズ」
株式会社技研製作所が来春から展開する「SXシリーズ」は、建設業界が直面する課題の解決を目的とした新しい圧入施工機です。同社は、高知市に本社を構え、代表取締役社長の大平厚氏が率いる企業で、社会的なニーズに応え続けてきました。
近年、建設業界は技能者の高齢化や人材不足といった深刻な問題に直面しています。そこで、経験の浅い技能者でも安心して作業が行える環境を整えるために、SXシリーズが開発されました。これにより、圧入技術をデジタル技術と統合し、施工の最新スタンダードを築くことを目指しています。
クラウド型データプラットフォーム「G-Lab™」との連携
SXシリーズは、同社が手がけるクラウド型データプラットフォーム「G-Lab™」との連携を基に、各種アプリと統合した機能を提供します。これにより、圧入作業は自動運転機能や操作アシスト機能により、技術者の負担軽減と施工品質の安定を実現します。
自動運転機能では、集積された施工データを元に設定され、圧入機が自動で最適な条件で動作します。また、操作アシストによって、圧入作業の各工程も効率化されるため、オペレータの負担を削減しつつ、安全性の向上にも寄与します。
開発の背景とその意義
SXシリーズの初号機として、U形鋼矢板400㎜幅に対応する「サイレントパイラー™ ST400SX」が今春に発売予定です。加えて、動力源となるバッテリー式電動パワーユニット「MUB150」も同時に登場します。これにより、実績のあるサイレントパイラーシリーズに新たな時代を呼び込むことが期待されています。
同社は1975年に初代機を開発し、今年で50年の節目を迎えました。この豪華な歴史を土台に、未来の施工現場を見据えた「SXシリーズ」の開発は、少子高齢化、環境問題など現代の社会的課題に立ち向かうものであり、持続可能な社会の実現に寄与することを目的としています。
SXシリーズの主な特長
1. Smart support(スマートサポート)
- - 自動運転機能: 技能者の工事データをクラウドで管理し、圧入機が自動で最適な圧入力やスピードを設定します。
- - 操作アシスト機能: 定型的な機械操作を効率化し、誤操作リスクを減少させることで、安全性を向上させます。
2. Specialized design(特化設計)
- - 現場の条件に応じた専用設計で、軽量化と高い機動性を兼ね備えた機種展開により、多様な施工ニーズに応えます。
3. Sustainability(持続可能性)
- - 電動パワーユニットを採用することにより、CO₂排出ゼロの施工を実現。技能者の高齢化対応と自動施工システムへの反映を通じた技術継承も期待されます。
今後の展望
入念なテストを経て、来夏にはAI機能が追加され、施工現場ごとに最適な自動運転が提案される予定です。この技術革新は、建設業界における新たなスタンダードを創出し、業界全体の持続可能な発展へと寄与することを目指しています。
未来の建設現場が直面する課題に立ち向かう技術革新として、SXシリーズの活躍に期待が寄せられています。技研製作所は今後も、安心・安全で快適なまちづくりを目指して挑戦し続けることでしょう。