三菱電機、欧州のFLAGCHIPプロジェクトに参加
三菱電機株式会社は、欧州の研究・イノベーションプログラム「Horizon Europe」を基にした新たなプロジェクト、「FLAGCHIP」に参画しました。本プロジェクトでは、先進的なパワー半導体モジュールの開発と、それに伴う状態監視技術の研究を行い、特に再生可能エネルギーの発電システムにおけるコスト効率の向上を目指します。
「FLAGCHIP」プロジェクトの概要
「FLAGCHIP」は、欧州9カ国の企業や学術機関が連携し、パワー半導体モジュールとその監視機能を革新することを目的としています。具体的には、発電システムの初期投資とメンテナンスを考慮したコスト効率の計算を行い、コスト削減に向けた施策を探ることで、より効果的な発電システムの構築を目指します。プロジェクトにはノルウェーとフランスの企業が参加し、それぞれの風力発電や太陽光発電システムを試験対象としています。
カーボンニュートラルを実現するために
カーボンニュートラルの実現に向けては、再生可能エネルギーの導入が欠かせません。しかし、それを支えるパワーエレクトロニクス機器の信頼性や保守性の向上が求められています。この背景から、パワー半導体モジュールは非常に重要な役割を果たしています。このモジュールは、電力変換の要となる部分で、温度状態を正確に把握することが劣化を防ぐカギとなります。
開発する状態監視技術
本プロジェクトで特に注目されるのは、パワー半導体モジュール内部の温度を正確に推定する技術の実証です。これは、半導体チップとボンディングワイヤーの接合部における温度変化を測定することで可能になります。三菱電機は、この技術を開発し、簡易なシステムで温度を推定する手法を追求しています。
実証試験と今後の展望
2026年10月から2028年2月までの間に、フランスのSuperGrid Instituteが提供する試験設備で実証試験が行われます。この成果は、パワー半導体モジュール自体の信頼性を高め、結果的に再生可能エネルギーシステムの全体的な効率を引き上げることに寄与するでしょう。
まとめ
三菱電機は、FLAGCHIPプロジェクトへの参画を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に向けて着実なステップを踏んでいます。この革新的な技術開発は、持続可能な未来に向けた貴重な一歩であり、我々全体が環境問題に立ち向かうきっかけとなるでしょう。今後どのような成果が期待されるのか、注目が集まります。