400年の歴史を持つ「なんばん餅」を再現
京都の名店・亀屋良長が、約400年前に織田信長に献上された「なんばん餅」の再現に成功した。このお菓子は、上賀茂神社が信長公を祝うために作られたもので、戦国時代の貴重な接待文化を今に伝える重要な一品である。
上賀茂神社は、正式には賀茂別雷神社と呼ばれ、2600年以上の歴史を持つ京都市北区の世界遺産だ。同神社が所蔵する「賀茂別雷神社古文書」によると、天正10年(1582年)、信長公が武田軍に勝利した際に「なんばん餅」を数百個贈った記録が残されている。この史料に基づき、華やかな戦国の接待文化を再現する試みが始まった。
亀屋良長の挑戦
亀屋良長は創業から220年以上、伝統的な京菓子を作り続けてきた店だ。「なんばん餅」の再現に当たっては、古文書のレシピに従い、使用する素材にも厳選を加えた。小麦粉、黒砂糖、葛粉、水の4つの材料だけで作るこのお菓子は、素材の風味がストレートに感じられる。特に、黒砂糖は波照間島産の風味豊かな品を使用し、葛粉には最高級の吉野本葛を採用。これにより、信長が祝意を込めて贈った逸品の味わいが期待できる。
製造工程は全て職人の手作業によるもので、せいろで1時間半蒸し上げる。作り手の情熱と熟練の技術が、今の時代に蘇るのである。
世界遺産の支援
この貴重な「なんばん餅」は、購入されることで上賀茂神社への寄付につながる仕組みも整っている。売上の10%は、世界遺産の維持や保全活動に寄付されるため、消費者は美味しい和菓子を味わいながら、文化遺産の保護にも貢献できる。アートと意義を兼ね備えた「なんばん餅」は、ただのお菓子に留まらない価値を持っている。
商品情報
「なんばん餅」は4個入りで700円(税込)、上賀茂神社での販売価格は800円(税込)。購入は亀屋良長のオンラインストアや実店舗で可能で、上賀茂神社内の「神山湧水珈琲」でも手に入れることができる。購入後はぜひ、その風味を楽しんでみてほしい。
上賀茂神社
上賀茂神社は、平安時代からその姿を保ち続け、今なお多くの人々が訪れる。公式サイトによると、神社は多くの重要文化財を有し、訪問者はその歴史と文化を間近に感じることができる。
亀屋良長
亀屋良長の創業は1803年。菓子司・亀屋良安から暖簾分けし、古都・京都で京菓子作りを続けてきた。歴史を大切にしつつ、新しいニーズに合わせたお菓子の開発にも力を入れている。公式のオンラインストアやSNSも活用し、顧客に向けた多彩な情報を発信している。
彼らが作る「なんばん餅」を通して、信長公の時代に思いを馳せながら、味わい深いひとときを楽しんでほしい。