検証される新たな住まいの形
墨田区は、近年の都市化により地域住民同士のつながりが薄くなっているという社会問題を抱えてきました。この問題に一石を投じるべく、東急不動産、千葉大学、そしてリノベる株式会社の3者が共同研究を開始しました。本プロジェクトでは、築30年の賃貸レジデンスをリノベーションし、地域コミュニティの形成を目指す珍しい試みが展開されます。
共同研究の背景と目的
この共同研究は、食と植物をテーマにした「街中植物工場」を設営することにより、入居者と地域住民が共に体験できる場を提供するものです。具体的には、共同研究の一環として導入される「街中植物工場」では、レタスやハーブの水耕栽培が可能になり、食品教育を通じた住民同士の交流を促進します。
発展する地域交流の場「GardEN」
共同研究の拠点となるのが「GardEN(ガーデン)」という名前のコミュニティスペースです。この名称には、人と人との「縁」が育つ場所という思いが込められています。入居者や地域の人々が世代を超えて集うことができる場所として活用され、植物を見たり育てたり、さらには食べたりする体験を提供することを目的としています。
草花や作物の成長を間近に観察できるこの空間は、むしろただの居住空間にとどまらず、活発な地域の交流の場へと変貌を遂げることが期待されています。
自然と触れ合う機会を提供
また、地域交流の一環として定期的に行われる「レタス会」では、収穫した新鮮なレタスを試食する機会も設けられています。これにより、住民同士が自然と交流し、地域のつながりがより深まることでしょう。このような活動を通じて、孤食を防ぎ、多世代交流のきっかけを作り出していくことがこの研究の狙いでもあります。
SDGsを意識した住まいの実現
このプロジェクトでは、居住空間の設計においても持続可能性が強く意識されています。子育て世代にも優しいプランで、アップサイクル素材を多用したリノベーションを行なっています。特に、子どもたちが安心してくつろげるスペースを計画することで、地域の未来を見据えた住宅設計を提案します。
「こども食堂」の開催と多世代交流の促進
さらに、地域ボランティアが中心となり「こども食堂」の開催も計画されています。ここでは、地域の子どもたちが安心して参加できる食事の場を提供し、地域全体の交流を促進します。このような取り組みは、単なる住まいの提供に留まらず、地域全体の発展にも寄与するものといえるでしょう。
未来に向けたスケジュール
このプロジェクトの実施にあたっては、2025年の十月に竣工し、その後すぐに栽培活動や食イベントが開始される予定です。これにより、墨田区の住民が一体となった持続可能な地域コミュニティを形成することを目指しています。具体的なスケジュールは以下の通りです:
- - 2025年10月:竣工・引渡し
- - 2025年11月:レタス会・栽培活動開始
- - 2025年12月:レタス会×こども食堂合同イベント
- - 2026年1月:こども食堂本格スタート
結論
以上のような取り組みを通じて、東急不動産、千葉大学、リノベるの各社は、亜藩には新しい住まいの形と地域の未来を築くための一歩を踏み出しました。私たちにとって、ただ物理的な住まいを超えた、食と植物を通じて織りなされる温かいコミュニティが形成されることを願っています。今後の展開にもご注目ください。