新たな才能の誕生!日本ファンタジーノベル大賞2026の結果発表
令和7年10月27日、待望の「日本ファンタジーノベル大賞2026」の最終選考が行われ、加賀谷きよいさんの『天を朱に染め-御伽草子異聞-』が栄えある大賞を獲得しました。この賞は新たなファンタジー作品を発掘するための新人の登竜門として位置付けられており、今年も399篇の応募から厳選された4作品が選考されました。
フィードバックと評価
選考委員には著名な作家、恩田陸さん、森見登美彦さん、ヤマザキマリさんが名を連ねています。彼らは受賞作について、熱心に議論を交わしました。恩田さんは「おなじみのキャラクターの肉付けがいきいきとしていて、読んでいて素直に楽しめた」とコメントし、作品が持つ魅力を称賛しました。森見さんも「ストーリーのうねりが強く感じられ、心意気が伝わった」と評価しています。さらにヤマザキさんは、「今の世の中を意識せずには読めない」と、作品が持つ現代的な意義を重視しました。
作品の背景
加賀谷きよいさんは、1980年に岩手県花巻市で生まれ、東北大学を卒業後、創作活動を開始しました。これまで「サカキヤヨイ」名義で数冊の絵本を出版しており、漫画や旅行など多彩な趣味を持つ彼女の作品は、個性豊かなファンタジーの世界に読者を誘います。
受賞された『天を朱に染め-御伽草子異聞-』は、酒呑童子という伝説的なキャラクターを題材にした物語です。加賀谷さん自身は、作品におけるテーマについて次のように語っています。「異質なる者たちとの闘いや共存を描き、人に恐れられた鬼たちがどのように歴史に刻まれたのかを考察しました。私たちが恐れながらも憧れてしまう存在として、彼らを描くことができたらと思いました。」
発表と今後の展望
本作の詳細は「小説新潮」2025年12月号で確認できるほか、同号には受賞者の言葉や受賞作の抄録、選考過程についても詳しく記載されています。また、加賀谷さんの新作が単行本として2026年初夏に出版される予定です。ファンタジー作品に新たな風を吹き込む彼女の今後の活躍に期待が高まります。
日本ファンタジーノベル大賞のウェブサイトでは、更なる情報が提供されていますので、ぜひチェックしてみてください。
雑誌情報
【タイトル】小説新潮2025年12月号
【発売日】2025年11月21日
【定価】1,000円(税込)
【URL】
小説新潮